2025.11.04 NTT、新会社「NTTモビリティ」12月設立 グループ各社の自動運転事業を集約

新会社の事業イメージ

 NTTは4日、自動運転事業を推進する新会社「NTTモビリティ」を12月に設立すると発表した。全国で実証を重ねてきたNTTグループ各社のノウハウを結集し、自治体や交通事業者と連携し、安全・安心でサステナブルな自動運転社会の構築を目指す。同日行われた決算説明会で、島田明社長が明らかにした。

 島田社長は「自動運転の社会実装を加速するため、グループ各社が培った知見・技術を集約し、新会社で事業を推進する」と述べた。新会社は、自動運転車両の提供や走行エリアの導入支援、遠隔監視システムの提供に加え、通信ネットワークを活用した関連サービスを展開。自動車メーカーや自動運転システムベンダーと連携し、包括的なソリューションを自治体や交通事業者に提供する体制を整える。

 島田社長は「住民やタクシー利用者などの利用者、交通事業者、自治体といったステークホルダーに、自動運転の仕組みを“パッケージ”として提供する会社を目指す」と説明した。車両や運行支援、監視システム、通信サービスなどを統合的に組み合わせ、導入から運用までを支援する。

 NTTグループはこれまでに、NTT東日本・西日本やNTTドコモ、NTTデータなどが全国35カ所超で実証実験を実施してきた。新会社ではこうした成果を集約し、全国展開に向けた事業化を進める考えである。島田社長は「グループ各社のノウハウを一つに集約し、これからの自動運転事業を加速させたい」と強調した。

 政府は2030年ごろまでに約100カ所で自動運転サービスを展開し、社会実装を進める方針を掲げている。NTTモビリティはこの取り組みに参画し、同時期に数百億円規模の事業に育てることを目指す。島田社長は「運転手不足などの社会課題の解決に貢献しながら、高齢化社会の新たな移動需要にも応えたい」と力を込めた。新会社の設立により、通信インフラ企業としての技術力と地域密着型の運用支援を融合させ、次世代モビリティー社会の基盤づくりをリードしていきたい考え。