2026.01.12 【電子部品総合特集】ニチコン・森克彦社長 蓄電システム拡充で次の成長へ 「Vision2025」最終年度に総仕上げ

 経営理念である「価値ある製品を創造し、明るい未来社会づくりに貢献する」を基軸に中期成長目標「Vision2025」と今後の成長に向けて、取り組みを強化している。家庭用蓄電システムの新商品、コンデンサーの新機種を発売し、全社一丸で事業の発展につなげる。

 昨年を振り返ると、コンデンサー事業は構造改革効果、生産性の向上で利益が改善した。売り上げも生成AI(人工知能)サーバーやデータセンター(DC)など情報通信機器向けでアルミ電解コンデンサーが好調。車載関連機器向けでも、電動化ユニット向けのコンデンサーの需要が増えた。新規案件も増え今後に期待できる。

 家庭用蓄電システムやV2Hシステムなどを手がけるNECST事業は、V2Hシステム向けの補助金の受け付け開始が例年より遅く、需要が減少。一方で、9月に発売した太陽光発電・蓄電池・EV(電気自動車)電池の三つのエネルギーを高効率で制御し、太陽光発電を最大限活用した暮らしを目指せるトライブリッド蓄電システム「ESS-T5/T6シリーズ」が好調だった。一口最大90kWの高出力で最大6台のEVを輪番(サイクリック)で充電でき、クラウド側で制御して効率よく充電できる「サイクリックマルチ充電器」も運輸業界で広がりつつある。

 今年は、中期成長目標の最終年度となる。目標に近づけるよう取り組みを強化し、次期中期成長目標を見据えて動く。コンデンサー事業は、情報通信機器、自動車向けなどの成長市場に注力する。

 AI向けでは、ニーズが高い大容量、高電圧化に対応。GPU・CPU向けでは導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサーの高性能化を推進する。安定して成長が見込める自動車など各市場向けに特化した製品開発も進める。

 NECST事業は、2027年4月から始まる「GX ZEH」の新しい基準では蓄電池が必須となる予定。新たなハウスメーカーなど関連企業と連携し、実績を高める。

 当社の強みは、市場のニーズに応える対応力、品質、技術力。今後も設備投資を推進し、強みを伸ばす。社内で決めたことを忠実に真面目に取り組み、社会から期待される企業になれるように尽力したい。次期中期成長目標につなげる取り組みも推進したい。