2026.01.12 【電子部品総合特集】オータックス・富田周敬社長 グローバル生産体制再構築を推進 M&A強化し接続部品のファウンドリー化へ

 足元の受注は、産業機器向けは若干回復しているが、大きな回復には至っていない。一方、欧米向けはかなり戻ってきている。コロナ禍後に発生した市場での極端な在庫過多の状況は、かなり解消されてきているが、中国経済が低調なため、今後、本格回復に向かうがどうかはまだ不透明だ。

 2025年末にインドに出張した際、活気を感じた。当社はインド市場向けにエアコン用端子台を販売しているが、現地生産への顧客要求も強く、顧客要請に追随すべきかを検討していく。

 当社は、グローバルでの生産体制再構築を進めている。中国・深圳工場(広東省深圳市)を縮小し、タイ工場の生産強化に努めており、25年にはタイ工場にめっきラインも導入した。また、24年に佐鳥電機から譲り受けたトリガースイッチ事業(現SHIBA)は、従来の委託生産からわれわれが社内に生産を取り込み、部品加工からの一貫生産体制を26年に構築する。今後も顧客の近場で生産を行う体制づくりを進める。

 25年10月には、パトライト(大阪市中央区)からの端子台事業譲受で、同社の辰野工場(長野県辰野町)が当社傘下となり、名称も「オータックス長野事業所」に変更した。26年度に向けて生産の国内回帰を進め、物流費上昇や円安に対応できる体制を構築していく。今後は、数年前に旧富士通コンポーネント(現FCLコンポーネント)から譲り受けたコネクター事業も辰野で生産できるようにしたい。加えて、他社からの受託生産もさらに拡大していく。26年度には長野事業所で医療機器製造の認定も取得したい。

 25年度(26年3月期)から新中期経営計画「Challenge 150」(3カ年)をスタートした。25年度売上高は、既存ビジネスと買収した事業を合わせ、24年度を大きく上回る130億円超の見込み。過去最高売り上げは約135億円だが、最終年度の27年度には150億円を目標に置く。

 当社は26年に設立50周年を迎える。26年度に向けてもM&A(企業の合併・買収)に積極的に取り組む。スイッチ業界では撤退企業が増加しており、事業承継に悩む企業も多い。当社はそうした企業の受け皿となり、われわれのケイパビリティーを生かすことで、接続部品のファウンドリー化を目指す。