2026.02.19 島津賞に東大定量生命科学研究所の胡桃坂教授、京都で受賞式

島津賞、島津奨励賞の表彰式を開催した

賞状を受け取る胡桃坂教授(右)賞状を受け取る胡桃坂教授(右)

 島津科学技術振興財団は17日、ホテルオークラ京都(京都市中京区)で「2025年度島津賞、島津奨励賞表彰式並びに研究開発助成金贈呈式」を開催した。島津賞を受賞した東京大学定量生命科学研究所の胡桃坂仁志教授と島津奨励賞を受賞した3人に表彰状を授与するとともに、受賞者が記念講演を行った。

 島津科学技術振興財団は、1980年に島津製作所の拠出金により設立された。

 島津賞は主に科学計測の領域で、基礎的研究や応用・実用化研究で著しい成果を上げた研究者を表彰するもの。島津奨励賞は研究の今後の発展が期待される研究機関に所属する45歳以下の研究者が対象だ。今回は、島津賞に11件、島津奨励賞に33件の推薦があった。

 榊裕之理事長(奈良国立大学機構)は冒頭のあいさつで、「今回の受賞や研究開発助成が大きな励ましとなり、今後の研究の発展の契機になることを期待している」と激励した。

 成宮周選考委員長(京都大学大学院医学研究科メディカルイノベーションセンター長)からは、島津賞と島津奨励賞の選考理由が説明された。

 島津賞を受賞した胡桃坂教授は「クロマチン複合体構造の革新的解析法とエピゲノム動作原理の解明」という研究業績が評価された。

 成宮選考委員長は「生命の本質にかかわるクロマチン複合体のさまざまな動作原理を解明したものとして島津賞にふさわしいと判断した」と話した。

 島津奨励賞には、東京大学大学院医学系研究科の岡田随象教授、同大大学院理学系研究科の井手口拓郎准教授、同大物性研究所の松永隆佑准教授が選ばれた。

 研究開発助成金は「主として科学計測に係る科学技術領域(領域全般)」で20件、25年度の新分野のテーマ「先進情報技術の研究分野または先進情報技術やデータサイエンスを用いて科学的課題解決を目指す研究分野」で3件の合計23件が採択された。

 助成金受領者を代表し、産業技術総合研究所の岸川諒子主任研究員が「いただいた支援を研究費として捉えるだけでなく、財団から託された期待と信頼と受け止め、各分野のさらなる発展に貢献するべく誠心誠意研究にまい進していく」と感謝を述べた。

 表彰式後は記念講演を実施。胡桃坂教授、岡田教授、井手口准教授、松永准教授が記念講演を行い、自身の研究内容を紹介した。

 胡桃坂教授は、自身が確立したクロマチン複合体の立体構造と機能を解析する技術について「これから新しい発見を積み重ねていくベースになるのでは。国際的なスタンダードになることを願って、技術提携もしていきたい」と話した。