2026.05.25 【鉄道用部品特集】重要性高まる鉄道用エレクトロニクス 電子部品各社、高度な技術で鉄道の進化をサポート
鉄道は、人々の暮らしを支える重要な社会インフラの一つ。車両の高性能化や安全性向上、利便性や快適性の向上、省エネ・高効率化に向け、IT・エレクトロニクス技術の重要度が増している。電子部品メーカー各社は、鉄道市場を成長分野の一つに位置付け、同市場への積極的な新製品開発や技術提案を推進する。
国土交通省によると、鉄道車両の世界市場規模は2025~27年には平均で年間10兆円弱に達し、車両に運行・保守サービス、施設などを含めた鉄道産業全体の世界市場規模は同約30兆円に達するとされる。また、同省が昨秋発表した2024年度の国内鉄道車両部品生産金額は前年比0.5%増の3929億円となっている。
世界の鉄道市場では、都市間を結ぶ高速鉄道の新規建設プロジェクトがめじろ押し。自動運転車両などに関する技術革新も進んでいる。
鉄道の大きな利点は、移動距離や旅客量当たりの 二酸化炭素(CO₂)排出量が少ないことがある。国土交通省によると、旅客の輸送量当たりの CO₂排出量は、鉄道は自家用乗用車の約7分の1、航空の約5分の1、バスの約4分の1にとどまる。
このため、直近での中東情勢緊迫化によるガソリン価格高騰も、鉄道産業への再評価につながることも予想される。物流業界のトラックドライバー不足の解消手段としても期待される。
鉄道会社や車両メーカーの次世代車両開発では、高速鉄道車両の営業最高速度の一層の高速化と安全確保、低騒音化などが追求されている。高効率なSiC(炭化ケイ素)パワー半導体活用などによる高効率化や、乗り心地改善も重視される。自動運転車両開発にも力が注がれ、JR東海は28年ごろから東海道新幹線の自動運転システム(GoA2)搭載車両を順次導入する計画。
このほか、ITを活用した客室内のセキュリティー向上やホームの危険検知システム、画像AI(人工知能)による踏切安全対策など、さまざまな先進技術の開発が進んでいる。
このため、電子部品各社は鉄道産業を成長分野の一つに位置付け、鉄道会社や車両メーカー、鉄道関連機器メーカーへの技術提案を強化。地上設備についても、ホームドアや自動券売機、タッチレス改札機などの革新に向けた提案が進められている。
鉄道用部品では極めて高い信頼性が要求される。部品各社は、車載などで培った高度な技術・ノウハウを活用することで、鉄道産業の進化をサポートする。







