2026.07.13 【家電総合特集】パナソニック 堤篤樹・国内マーケティング担当役員コンシューマーマーケティングジャパン本部長

販売チャネルに合わせた開発強化

 足元ではエアコンやLED照明の販売が好調で、冷蔵庫や洗濯機も4月以降上振れしている。テレビも前年より動いている。

 エアコンは猛暑・「2027年問題」・補助金の三つの要素が重なり、昨年度を上回るペースで動いている。好調だった昨年度に比べても30~40%増で推移しており、この動きは当面続くとみている。

 特需を予想して計画を立てていたが、それを超える勢いで動いている。メディアで取り上げられたこともあり、問い合わせが増加して2月ごろから工場はフル生産で動かしている。市場の伸びと合わせて、供給量を昨年より1.5倍に増やしている。

 照明の27年問題でLED照明の買い替えも活発化だ。昨年秋ごろから伸びていたが、今年はそれを上回っている。中でもパナソニックショップ(PS)の専門店チャネルでは、店舗が取り付けまで行ってくれるため顧客の満足度が高い。

 ただ、来年以降の反動がどうなるか不安がある。照明は来年も同じペースで販売できるとみているが、エアコンは3~5割落ちるとも言われている。省エネ効率を上げるには室内機や室外機の熱交換器を大きくしなければならない。価格が高いのはその分の材料を使用することが原因だが、来年以降の原材料や為替がどうなるか考慮されていないため、価格帯は検討中だ。今はどういう形で需要をけん引する商品を出すのか、ものづくりを含めて検討している。

 今後の市場動向は、20年のコロナ禍に伴う外出自粛の巣ごもり需要から6年が経過し、魅力的な商品があれば買い替える期間に入る。パナソニックらしさがある製品を消費者に届けて、その価値を感じてもらえるような取り組みに力を入れていく。

 昨年から小世帯向けに「群マーケティング」として展開してきており、群での訴求が一つの製品の価値軸になると考えている。人口は減少しているが1~2人世帯などは増え、コンパクトモデルでもフラッグシップ機の機能が入った製品が求められている。これを受け、

洗濯機や冷蔵庫、電子レンジ、食器洗い乾燥機などのラインアップを用意したところ、非常に好評。今後はこれまで出した製品の色展開やスペックを向上させたものを秋ごろから新しく投入しつつ、空気清浄機や炊飯器など拡充していく。

 今年からは防犯にも力を入れ、社会に貢献する商品ラインアップをそろえる。電話やドアホン、監視カメラなどを群として訴求しながら、AI(人工知能)搭載モデルにフルモデルチェンジしたドアホンの最上位機を夏ごろに市場投入する。

 昨年、ドアホンや監視カメラを投入したところ非常に好評で、トップシェアを獲得した。AI搭載ドアホンは、メディア向けのセミナーなども開催し、プロモーションにも取り組む。今後は既存製品のスペックアップとともに機器連携を加速させ、防犯にも強いパナソニックを群で訴求していく。

 当社は、若い世代のタッチポイントになるような製品が少なかったが、好評のメンズシェーバー「パームイン」のラインアップを拡充し、新しい高付加価値の製品を発売する。理美容家電は市場として一番伸び率が高いため、「ラムダッシュ」をリブランディングし、パナソニックビューティーとメンズビューティーの2枚看板で、女性だけでなく、若い男性需要も取り込んでいく。ほかにも専門店と量販店の販売チャネルに合わせた製品開発などを強化していく。

 最近は地政学リスクにおけるグローバルサプライチェーンの動きや原材料の高騰、為替の変動、メモリーの値上げなど課題が多くある。業界全体としても影響が大きいため、対応には注視していく。