2026.07.27 【家電流通総合特集】パナソニックマーケティングジャパン・山本信義代表取締役社長執行役員 群マーケティングでファンづくり

 パナソニックグループは昨年度に大きな構造改革を実施し、われわれ販売会社側も体制が変わった。全国7支社でカバーしていたのを4社に再編し、同時に個々で行っていたオペレーションを東京本社に集中させ、効率的な運営に変更した。

 家電量販店向けの商談も、これまではパナソニック側と一緒に行っていたが、商談機能を前線に集約し当社が対応することでスピーディーに判断できるようになり、より高効率なマーケティング会社になった。

 足元の販売状況は、6月が伸び悩んだが、それ以前は2桁近く伸長している。7月に入り暑さが本格化しているため、4~9月では前年も計画も超える見通しだ。

 エアコンは、4、5月は猛暑が続いたためプラスに推移した。暑さだけでなく、「2027年問題」で早期買い替えも進んだ。

 半面、6月は気温が上がらなかったこともあり伸び悩んだ。当社としても想定外な動きだった。エアコン購入が目的で来店した顧客が他の商品の買い回りや、新しい気付きで購入につながることがあるため、来店が減ったことで厳しいものになった。

 ただ、4~6月ではプラスだ。標準機の在庫は減ってきており、全体的に価格は上がる傾向にある。暑さの本格化でエアコンは再び販売が盛り上がってくるだろう。

 テレビは、スポーツの世界的イベントがこの春から夏にかけて複数あり、大きく伸長した。50型以上が好調で、販売構成は4割を超えている。

 当社はフラッグシップに有機ELテレビを置いているが、日本ではミニLEDテレビのニーズが増加している。それを受け、今年はミニLEDテレビのラインアップを1シリーズから3シリーズに拡充している。ボーナス商戦は白物家電のエアコンや照明器具が柱となるが、冷蔵庫やテレビも下支えすることで、大きく落ち込むことはないとみている。

 地域専門店チャネルに合わせて、専門店の要望を取り入れたオリジナル商品を発売した。デジタル化も進めており、顧客や在庫の管理ができる「クラウドV」や新製品情報などを発信する「SQサイト(旧あなたの街のでんきやさんサイト)」を開設している。SQサイトは、問い合わせ機能も追加し、双方向でやり取りができるようになった。

 今後は小世帯向けや防犯向けの「群マーケティング」を勝ち筋と位置付け、販売を強化していく。

 当社は幅広い商品をそろえているため、群マーケティングで暮らしに合った提案が可能だ。さまざまな切り口で群提案を行っており、小世帯向けもその一つだ。昨年、コンパクトでプレミアムな機能を凝縮した「コンパクト&プレミアム」家電を1~2人世帯向けに初めて提案したところ、対象商品が前年比で約10%増加した。

 防犯にも力を入れる。ドアホンやセンサーカメラなどを中心に訴求し、高齢者から子どもまで暮らしを守ることを提案していく。AI(人工知能)搭載モデルにフルモデルチェンジしたドアホン最上位機を市場投入した。

 テレビはさらに本気で取り組む。ミニLEDのラインアップ強化を含めて、テレビCMも放送することで、当社はテレビを強化していくことを発信していきたい。9~11月は全国的にも集中的に取り組み、専門店の秋のフェアで積極的に訴求していく。

 少子高齢化で総需要が減ってきているため、ペットや理美容など新しい市場も開拓していく方針だ。テレビやSNS、店頭などを通じて値段だけではない商品の価値を正しく伝え、ファンになってもらえる活動を会社全体で推進していく。