2026.07.27 【半導体総合/エレクトロニクス商社特集】リョーサン菱洋・稲葉和彦社長 AIソリューションでビジネス拡大 統合効果生かし顧客接点を深化

 2026年4月にリョーサンと菱洋エレクトロの事業会社2社が統合したリョーサン菱洋。名実ともに一つのグループとして、成長へ向けた新しいステージに入った。

 24年度の経営統合から両社の商材と顧客の掛け合わせによるクロスセルを推進し、25年度はより大きな成果へ向け狙いを絞り仮説と検証のもと活動した。稲葉和彦社長は「旧リョーサンのお客さまに対する旧菱洋のソリューション提案が刺さった」と語り、両社の強みを最大化できる領域でのシナジー創出に手応えを感じる。

 AI(人工知能)関連では早くも成果につながっている。リョーサンがデバイス事業で培った強い接点を持つ製造業の顧客に対し、菱洋が取り扱うAI関連の商材や独自のサービス「AI Techmate Program(AIテックメイトプログラム)」などの提案に注力。さらなるビジネスの拡大を見据え、営業と技術からなるAI専門部隊を拡充するだけでなく、千差万別な顧客のAI導入ニーズに対応するためパートナー企業との連

携も進めてきた。26年度から一部顧客で大規模なAI導入も始まる。「引き合いが増えただけでなくビジネスの核になっている」(稲葉氏)と言い、AIの提案で顧客との接点を深めることが顧客の中長期な事業展望に携わる貴重な機会になるとしている。各業界のトレンドや先々の開発動向をいち早くつかみ、半導体やデバイスの将来的な提案にもつなげる構え。

 エンジニア向けオウンドメディア「リョーサン菱洋テクラボ」でも統合の効果が表れている。配信コンテンツの幅が広がり、AI関連情報の比率は40%を超えた。月間4000近くの新規リードがあり、利用者の80%を20~30歳代が占める。デジタルを活用した顧客接点の拡大につながっている。

 エレクトロニクス商社を取り巻く事業環境は目まぐるしく変化している。半導体市況では「27年中はメモリーなどの値上がりが続く見通し、需給バランスで局面は変わる」(稲葉氏)とし、最終製品への価格転嫁による売れ行き低下が半導体の需給に影響する可能性を視野に入れ半導体メーカーの設備投資の動向も注視する。リョーサン菱洋は統合によって強化した事業基盤を生かし、顧客の課題解決や事業成長に貢献する考え。