2026.07.27 【半導体総合/エレクトロニクス商社特集】エイブリック・田中誠司社長 5期連続で営業利益率32%以上 データセンター向け拡大狙う

 エイブリックは、ミネベアミツミグループが掲げる中核事業「8本やり」のうちベアリングに次ぎ2番目の槍に位置する半導体事業の一翼を担う。田中誠司社長は市況を「人工知能(AI)市場好調からメモリー、ロジック製品のひっぱく感が半導体全体の品薄感に波及しており、長期発注、多めの発注の反動が来る可能性を注視する」と語った。

 2025年度は期初の計画を達成し、前期比10%超の増収増益。営業利益率は5期連続で32%以上となっている。26年1月からの受注も好調で26年度上期の売上高は前年同期比20%増を目指している。

 半導体製造の前工程、後工程の一貫体制で先々に備えた在庫を持つことで短納期に対応しているが、受注好調が続けば生産を強化し、外部委託の活用もより長期的な視点で調整する。足元のメモリー供給問題の影響は限定的だ。値上がりが懸念される購入部材はより長期の発注計画で確保する方針。

 車載では海外の一部バッテリー電気自動車(BEV)向けに高圧の48V製品の計画が前倒しになった。顧客が事業継続管理(BCM)のために調達の一社集中を避ける動きも追い風となっている。産業機器は車載向けで開発した製品の性能要件を緩和し横展開していく。裾野の広い市場に合わせた拡販ツールを用意し代理店の習熟も促す。

 また、モバイル医療機器ソリューション「viewphii(ビューフィー)」に注力する。超音波送信用集積回路(IC)の高電圧100V対応拡張版も27年度の量産に向けた準備を進めている。日米の展示会で訴求していく。同分野は新規参入が増えており、ビューフィーのリファレンスデザインに注目が高まる。

 データセンター向けはバッテリー・バックアップ・ユニット(BBU)での保護ICの実績をもとに採用拡大を探っている。ミネベアミツミのBBU関連事業とも連携。グループ全体の注力5分野でもビジネス拡大を目指す。

 人材施策は技術承継に注力。60歳超の従業員は業務を棚卸し、上司と対話から引き継ぎ計画を立てる。業務の見える化にAIも活用する。採用面では若年層にものづくりを紹介するテレビCMをデジタルサイネージ、ソーシャルメディアなどでも周知。27年度の新卒採用は修士を含め充実させる。