2026.08.21 女子中高生がIoT炊飯器で「おいしさ」を科学 パナソニックがSTEM体験会
「おいしさ」を科学するSTEM体験プログラムの様子
パナソニックは19日、滋賀県草津市の草津拠点で、山田進太郎D&I財団が展開する女子中高生向けSTEM体験プログラム「Girls Meet STEM」の一環として、IoT炊飯器を使った調理科学体験を実施した。
日本のSTEM(Science、Technology、Engineering、Mathematics)分野の学部(理工系学部)における女性比率は18.08%と、OECD(経済協力開発機構)諸国で最も低い水準にとどまっている。
「Girls Meet STEM」は、こうした STEM分野のジェンダーギャップの解消を目指し、女子中高生を対象に企業や大学、研究機関での体験プログラムや、女性ロールモデルとの交流機会を提供するプログラム。
当日は、「キッチン家電で“おいしさを科学する”お仕事とは?」と題したプログラムで、関西を中心とした女子中高生17人が参加。「食卓でおなじみのおかずに合うご飯」をテーマに、IoT炊飯器を用いた調理科学体験を実施した。
参加者は理想のご飯を実現するための炊飯条件を自ら考え、実際に炊飯・試食を行いながら、モノづくりの現場で実践されている「仮説→実験→検証」プロセスを体験した。
調理家電の研究開発を担うPanasonic Cooking @Labの女性技術者との交流や、開発現場の調理実験室の見学も行った。
実施後のアンケートでは、参加者の75.1%が将来「自分もこうなれたらいいな」と思える人が「見つかった」(6.3%)または「やや見つかった」(68.8%)と回答(N=16)。
理工系分野における学びや仕事への理解を深め、自身の進路や将来のキャリアについて考える良い機会となった。
ご飯のおいしさを科学する貴重な機会
プログラム前半では、Panasonic Cooking @Labの技術者が、ご飯のおいしさを評価する「官能評価」の考え方や炊飯の仕組みについて解説した。
参加者はグループごとに、「おかずに合うご飯」をテーマに、どのような食感や味わいが適しているかを話し合い、理想のご飯を実現するための炊飯条件を検討。時間や温度、火力、蒸らし時間などを設定し、IoT炊飯器を使って炊飯した。
炊き上がったご飯は、「外観」「香り」「味」「粘り」「硬さ」「食感」などの観点から評価。参加者は異なる条件で炊いた各グループのご飯を比較し、炊飯条件の違いによる味や食感の変化を体感した。
併せて、調理家電で作った鶏の照り焼きとキーマカレーとともに試食し、「おかずに合うご飯」という観点から結果を考察した。
自分たちで考えた炊飯条件と実際の結果を照らし合わせながら、「仮説→実験→検証」という研究開発のプロセスを体験した。
炊飯中には、調理家電の研究開発を行う調理実験室を見学した。参加者は、調理評価の方法や実験設備について説明を受け、日常的に使用する炊飯器や電子レンジなどの家電が、さまざまな実験や検証を重ねて開発されていることを学んだ。
プログラム後半では、Panasonic Cooking @Lab の女性技術者との交流会を実施した。
参加者からは、「なぜ理系の進路を選んだのか」「学生時代に学んでいたこと」「研究開発の仕事のやりがい」「理系科目が得意でなくても技術者になれるのか」など、進路選択から実際の業務内容まで多くの質問が寄せられた。
女性技術者たちは自身の経験を交えながら質問に答え、理工系分野で働く魅力や、自分の興味や好奇心を大切にして進路を選ぶことの重要性を伝えた。
視野を広げる良い機会に
参加者・保護者からは、今回のプログラムにより良い体験ができたと満足し、充実した一日を過ごせたようだ。
参加者からは、「自分たちで考えた炊飯条件で、ご飯を思い通りに炊き上げることができて楽しかった。炊飯条件によって味や食感が変わることに驚いた」(京都府の中学2年生)、「理系科目に苦手意識があり、理系の進路は難しいかもしれないと思っていたが、今回の体験がとても面白く、理系の進路について改めて考えてみたいと思った」(愛知県の高校2年生)などの声が上がった。
「文理選択は、苦手な科目を避ける『消去法』で決めてしまいがち。子どもには自分の興味や可能性を前向きに考えて選択してほしいと思っている。今回、理系にも幅広い分野や仕事があることを知り、将来の選択肢について視野を広げる良い機会になったと思う」(滋賀県の高校1年の保護者)との声も聞かれた。
同社スマートライフ事業部 調理機器ビジネスユニット 技術統括部 調理ソフト開発室の萩成美さんは、「ご飯は日常生活に根付く身近な存在だが、炊き方によって食感や味わいが変わり、おかずや個人の好みによってもおいしさは異なる。参加者の皆さんが、自分の感覚で違いを発見し、『なぜだろう』『どうすればもっとおいしくできるだろう』と科学や技術と結び付けて考えていた姿が印象的だった」とコメント。
「今回の体験をきっかけに、身の回りのさまざまな物事にも目を向け、『なぜだろう』と考えたり、よりよくする方法を探ったりすることで、興味や関心を広げてほしい」とした。
また同開発室の早瀬裕菜さんは「今回体験いただいた目指すご飯を考え、炊き方を設計し、実際に炊いて評価するプロセスは、私たちの炊飯器開発と同じ。実際の開発では、思い通りにならないときも、原因を考えて条件を見直し、検証を何度も繰り返す。そうした地道な積み重ねによって実現したいものを形にしていくことが、研究開発の面白さだと思う」とする。
「これからの進路に迷っている方も多くいらっしゃったが、今回の体験を通じて、調理科学や調理家電の開発という仕事を知り、将来の進路を考える際の選択肢の一つになればうれしい」(早瀬さん)とし、理系女子にエールを送った。










