2026.10.03 日立、独企業とAIロボの「頭脳」開発で連携 製造現場の自律化へ

Agile Robotsのヒューマノイドロボット(提供:日立製作所)

 日立製作所は、人工知能(AI)とロボット技術の融合を強みとする独Agile Robots(アジャイルロボッツ)との間で、AIロボティクスの「頭脳」を開発する協創パートナーシップについて基本合意した。両社のAIモデルを組み合わせ、製造現場を自律化する「フィジカルAI」の実現を目指す。

 具体的には、製造現場の複雑な作業を短期間で学習できる日立のAIモデルに、幅広い産業で使われる汎用的なAgile Robots のAI モデルを融合し、強力なAIロボティクスの頭脳を開発し、人の技能や判断に依存していた生産プロセスの自律化を実現していく。

 日立は、この頭脳で各産業分野のドメインナレッジ(専門知識)を学習させ、現場に実装可能なフィジカルAIに進化させ、製造業向けAIソリューション群「HMAX Industry」としてグローバルに展開していく。これにより、人手不足などの社会課題を解決する製造現場を実現したい考えだ。

 さらに、ロボットの視覚や触覚に相当する情報を高速・低消費電力で処理できる日立の「エッジAI半導体」にAgile Robotsのロボティクス技術を組み合わせることで、環境変化をリアルタイムに認識し柔軟に動くロボットの実用化を加速していく。

 労働力不足が深刻化する中、製造業では、あらかじめ設定した条件に基づき同じ動作を繰り返す「自動化」が広がってきた。一方で、多くの工程は依然として人手に依存している。このため、状況の変化を自ら認識しながら動作を制御する「自律化」の実現が課題となっており、フィジカルAIへの期待が高まっている。

 Agile Robotsは、2018年にドイツ航空宇宙センター(DLR)のロボティクス研究者らによって独ミュンヘンで設立された。約60カ国から集まった3500人超のロボティクス・AI人材を擁し、自動車やエレクトロニクスなどの分野へソリューションを提供している。

 日立執行役常務コネクティブインダストリーズセクターインダストリアルソリューションビジネスユニットCEOの高木由充氏はコメントで「ロボット単体の知能化にとどまらず、工場全体の自律化を実現するフィジカルAIを世界の工場に実装していく」と述べ、製造業の競争力向上に貢献する考えを示した。