2026.08.24 【ハムフェア2026特集】アマチュア無線制度の動向

■無線局免許状電子化
 アマチュア無線制度の大きな変更としては、昨年10月から実施された無線局免許状の完全電子化がある。電子申請かどうかに関わらず、すべての局の無線局免許状は、電子形式でWeb上で表示・確認できるものとなった。ただし、免許人への便宜のため、電子登録された免許状は、写しとして印刷可能である。この制度変更により、免許記録の無線局への備付けを、四つのいずれかの方法(=表)により行うことができるようになった。
 なお、本年1月には、総務省の四つに分かれていた電子申請用サイトが統合されるかたちで全面リニューアルされた。このため、場合によっては、電子申請サイトのユーザーIDを再取得する必要があるので、注意されたい。

■資格試験受験料・申請手数料などの変更
 無線従事者国家試験の受験手数料と200Wを超えるアマチュア局の検査関連手数料が本年10月より改訂される。いずれも、10%程度から20%強の値上げとなっている。いずれも人件費や物品費変動などに基づき改訂される。今回の値上げに先立って総務省は、5月下旬から6月下旬まで値上げに関するパブリックコメントを募集し、その意見も踏まえて改訂を行った。
 なお、無線局の免許申請(新規開局、再免許など)の手数料や、無線従事者免許申請(新規申請、再交付など)の手数料は、局免許のデジタル化などに合わせて改訂されたばかりのため、今回は据え置かれた。

アマチュア無線機器の動向

■円安や中東情勢の影響もデジタル化は引き続き進展
 電波伝搬に影響を与える太陽黒点数のサイクル25も下降期に入り、ハイバンドのコンディションが低下してくる中、コロナ禍や半導体不足による影響を脱し、各社の新製品がほぼ出そろって来ている。 ただし、AI関連部品需要の高まりや円安、中東情勢などの影響で、半導体メモリや一部の材料が高騰し、製品の値上げが目立つ。特にアルミなどの金属を多用するアンテナ関連製品の価格が高騰しており、中には30%を超える値上がりのものもある。
 その中で、最近特長的なのが、デジタルモードの進化と無線機器の小型化だ。

■無線機のSDR化によりデジタルモードが普及
 2000年代に入ると、市販アマチュア無線用のトランシーバーや受信機はほぼ、デジタル・SDR(Software defined Radio)化した。このSDR化に伴い、2波同時受信やバンドスコープなど以前は高級機にしか搭載されていなかった機能も普及機に搭載されるようになった。また、デジタル信号と無線機の親和性が良くなり、デジタルモードが普及しだした。代表的なのは、D-STARやC4FMであるが、近年は、FT8のようなPCと無線機とを接続し、通信を行うデジタルモードが爆発的に普及した。これらのモードでは様々なPCソフトウエアやインターネット通信と組み合わせることにより、ログ記入やQSL発行、アワード申請用サマリシート作成が手軽にできるようになった。
 無線機器の小型化も大型のコイルやバリコンといったアナログデバイスの点数を大幅に減らすことができるSDR化によるところが大きい。都市部での住宅の狭小化も無線機器の小型化を促進。さらにFT8などのデジタルモードは、小電力でも遠距離通信が可能であり、アンテナの利得もそれほど必要ないため、アンテナも小型化が進んでいる。

■移動運用などで小型機器が人気
 特に最近は、POTA(Parks on the Air)のような野外での移動運用も盛んになっており、無線機器の高性能化・小型化が歓迎されている。移動用アンテナでは、小型のアンテナチューナ(ATU)に対応したものが人気だ。また、ATUも外付けの小型なものが各社から発売されている。アンテナも最初からATUの使用を前提としたエレメントタイプのようなものが人気だ。
 U/VHF帯では、短波帯(HF)とは異なったデジタルモードがIP通信との組み合わせで使用されている。代表的なのがD-STARやWIRES-Xだ。
 車載機やハンディ機ではハンズフリーでのQSOを可能するブルーツゥース機能やGPS信号を受信し自分の位置を電波で伝送できるAPRS機能(Automatic Packet Reporting System)が搭載可能もしくは搭載されている。
 今後も小型で高性能・高機能な無線機器の発売が期待できる。