2020.07.30 【電子部品技術総合特集】NKKスイッチズ海老沼博行執行役員スイッチ統括兼品質統括担当兼スイッチ事業部副事業部長

海老沼 執行役員

高品質のスイッチ2商品投入

 NKKスイッチズは17年度より新中期経営計画「Change100」(4カ年)を開始し、20年度は最終年度となる。海老沼博行執行役員スイッチ統括兼品質統括担当兼スイッチ事業部副事業部長は、「中計ガイドラインの『勝てる武器の創造』『グローバル化対応』を基本戦略に研究開発を進めてきた。R&D部門の果たすべき役割として、現中計期間中に大型の新商品の商品化を目標に掲げ、今春に二つのスイッチ新商品を市場投入できた」と話す。

 開発したのは、主に鉄道車両などの用途向けに開発したユニバーサルデザイン採用の防水構造照光式押ボタンスイッチ「TB01シリーズ」(20年4月末発売)と、業界最小クラスの非常停止用押ボタンスイッチ「FF01シリーズ」(同5月中旬発売)。

 TB01は大手鉄道会社とコミュニケーションを図りながら開発を進めてきた商品。FF01は独自のスライディングラッチ構造でパネル奥行き13.6ミリメートルの小型化を実現し、かつ耐振動・衝撃性に優れる。

 同社は「品質のあくなき追求」をモットーに、コーポレートスローガン「Innovation Driving Quality」の下、技術開発を進めている。海老沼執行役員は、「独自の品質方針を定め、顧客が求める品質以上の高品質を目指し、今回の2商品の開発を進めてきた。その結果、顧客の課題を解決する新商品を開発できた」と話す。新中計では「モノ売りからコト売りへ」を方針に、ソリューションビジネス強化を全社で進めており、その方針に沿ってR&D部門では顧客の困り事を把握し、その解決のための商品開発に注力している。

 開発体制は昨年度まではR&D部が操作用スイッチ開発、ソリューション事業部がタッチパネルや多機能押ボタンスイッチ「ISシリーズ」などの開発を担当していたが、4月の組織改編で体制を一部変更し、新規商品開発は基本的にR&D部の担当とした。タッチパネルやSKB、スイッチのハーネス品などは引き続きソリューション事業部が担当する。

 新型コロナの影響について海老沼執行役員は、「在宅での開発業務を進めている。ただ当社のポリシーは『五現主義』で、良い商品の開発は、実際のモノを見ながら行う必要があると考えている。在宅では対応が難しい業務があるため、今後の新しい開発業務の在り方などを検討している」と語っている。