2020.09.18 【ASEAN特集】日本ケミコンインドに来年、現地セールス拠点

須佐 MD

 日本ケミコンは、ASEAN地域における営業体制として、シンガポールを主軸にタイ、マレーシア、インドネシアに衛星拠点を展開。各国でキメ細かなセールス、サービス活動を行っている。

 連結ベースにおけるASEAN地域での売上比率は約11%。うち、インド、ベトナム、フィリピンもカバーするシンガポール拠点とタイの販売会社の売上げが約8割を占めている。

 新型コロナウイルスの感染はASEAN地域でも拡大した。須佐英史MD(マネージングディレクター)は、これまでの新型コロナ環境とセールス活動について「3月のロックダウンで経済活動がほぼ停止していたが、月を追って規制の緩和とともに事業活動が行えるようになった。コンシューマ機器、自動二輪車を含めた自動車関連、インバータ、スマートメーターなど、ひと頃の底を脱している。また、人工呼吸器などの医療機器向けに代表されるように限られた分野の需要が伸びている」と語る。

 今後の見通しを「下半期は受注規模が拡大するのは間違いない。中国との紛争が懸念されているインドは、コロナ感染症の拡大もあって注視しなければならない。業績を伸ばすのはインド市場いかん」(須佐MD)と見ている。そのため、インドに21年にも現地セールス拠点を新設し、キメ細かな市場開拓を展開する考えだ。

 また、「新しいプロジェクト、案件が先送りになっているものもあり、その分も立ち上がる」(須佐MD)と期待する。

 需要の回復が遅れている自動車関連は環境対応車がけん引することに期待。四輪車はxEVが伸び、二輪車も環境規制により電子化が進み、部品需要を押し上げる。エアコンなどの生活家電は省エネ化を推進する機運からインバータ化率が高まる。さらにサーバー、基地局関連の電源も生産台数が伸びると展望。

 そのため、主力のアルミ電解コンデンサの需要が底上げされ、加えてポリマー、ハイブリッドの両コンデンサが自動車向けをはじめ市場の裾野を拡大。電気二重層キャパシタはリードタイプが自動車で本格的に搭載され、大容量MLCC、バリスタ、コイルなども自動車、産業機器分野を中心に立ち上がるとしている。