2020.09.18 【ASEAN特集】マス商事コロナ禍から本格立ち上がりへ
大金 MD
マス商事は、ヤマハ発動機(ロボティクス事業部)代理店として実装機を中心にプリント基板検査装置、クリームはんだ印刷機、はんだ付け装置(リフロー装置)などを扱う製造装置商社。
国内のほか、海外展開する日系企業向けのビジネスに対応して中国(蘇州、深圳)、シンガポール、マレーシア、フィリピン、インドネシア、タイ、ベトナム(ハノイ、ホーチミン)、メキシコ、インドに合計11の営業拠点を構え、事業を拡大している。
海外営業全般を担当するマストレーディングシンガポール・大金裕和MD(マネージングディレクター、タイ駐在)は、最近の市況感を「新型コロナ感染拡大によるロックダウンを経て、中国に続いてASEANも徐々に設備需要が戻りつつある。例えばタイの日系企業の工場は、操業が7、8割まで戻ってきている。実装機関連の需要も中国がほぼ回復し、ベトナム、マレーシアも動きが良くなってきた」と述べている。
ASEANでも、人件費の高騰や新型コロナによる人との接触を避けるため、生産自動化への関心が高まっている。
大金MDは「中国は自動化のニーズが高い。それに較べるとASEANはこれからだが、最近は実装機の導入に合わせてプリント基板検査装置も同時に導入するなどがあり、自動化への関心は確実に高まっている」と言う。
米中貿易摩擦の影響が表面化して以降、中国のリスク回避やBCP(事業継続計画)から、生産拠点を東南アジアに移す動きが活発になり、日系企業も生産をベトナムなどASEANにシフトする動きが現れている。
大金MDは「中長期的にもASEANへのシフトは進むのでは。シフトに伴う需要をしっかり取り込みたい」と話す。
同社はここ2年、中国・ASEANでも各拠点単位で顧客を対象にしたプライベートセミナーを開催し、好評を博している。
大金MDは「中国・ASEANは実装機ビジネスのポテンシャルも大きい。セミナーも顧客から情報収集の場として開催の要望も多く、コロナ禍からの本格的な回復に備えて準備を進める」と述べている。