2020.09.23 シャープ空調商品群普及に注力新型コロナ抑制効果実証
加湿空気清浄機KI-NX75
新型コロナウイルス感染症の拡大で、室内の空気質に対する関心が大きく高まっている。今期に入り市場では空気清浄機の販売が大きく伸びている。
空気清浄機市場でトップメーカーのシャープでは、同社独自の空気浄化技術であるプラズマクラスターイオン(PCI)技術を核に、空気質の向上につながる空調商品を幅広くラインアップ。主力商品の一つである空気清浄機では、大空間から個室まで対応できる充実した商品陣容で臨んでいる。
PCI技術は新型コロナへの効果も確認
PCI技術は、プラスイオン「(H⁺(H₂O)m)」とマイナスイオン「⁻O₂(H₂O)n」を同時に空中へ放出する。浮遊する細菌・カビ・ウイルス・アレルゲンなどの表面で、このプラスイオンとマイナスイオンが瞬間的に結合して酸化力の非常に高いOH(水酸基)ラジカルとなり、化学反応で細菌などの表面のタンパク質を分解して、その働きを抑制する。
同社が2000年から約20年間にわたり、様々な効果検証を第三者機関と共同で実証するアカデミックマーケティングを展開してきた中で、このほど最新の大きな成果として、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の抑制効果も、感染症研究で世界的な権威である長崎大学などと共同で実証した。
世界で初めて〝浮遊する〟新型コロナウイルスへの効果を実証したもので、実使用空間での検証はできないため、密閉された試験空間(約3リットル)で、大きさ2マイクロメートルほどの飛沫(ひまつ)にしたウイルス液を試験空間内に噴霧し、PCIを約30秒照射して、感染価が91.3%減少したことを確認した。
限られた空間の中での結果ではあるが、PCIの効果が認められたことで、PCI技術の可能性はさらに広まった。
充実のPCI搭載商品群
室内の空気質を高める空調商品として、同社は空気清浄機の提案に力を入れる。
リビングの大空間化やエアコン暖房の浸透で加湿ニーズが高まる中、業界トップクラスの加湿性能(880ミリリットル/時)に加え、AIoT機能の強化で加湿スピードを倍増させたプラズマクラスター加湿空気清浄機KI-NX75など、幅広いラインアップで市場ニーズに応える。
KI-NX75は、業界トップクラスの加湿性能に加え、進化したAIoT機能で部屋ごとに最適な運転制御を行い、加湿スピードを大幅に高めた。
同機は、本体内部の機構に加湿フィルタに風を集め、気化効率を高める「加湿集中ガイド」を搭載している。加湿フィルタも1層から2層として気化量を増やすなど、加湿構造を見直した。
また、AIoTクラウドサービス「COCORO AIR」の「AI加湿サポート」により、乾燥状態を部屋ごとに見極めて運転を制御し、迅速に加湿する。
搭載するプラズマクラスターは、静電気抑制効果も持ち、花粉などが壁や天井などに付着するのを抑えて、独自の循環気流で空気清浄機本体にしっかり吸じんする。付着した花粉のアレル物質の作用を抑制する効果も確認している。
このほか、大空間向けKI-NP100と同NX75は、プレフィルタにたまったほこりを定期的に自動で掃除する「自動掃除パワーユニット」を搭載し、手入れの手間も軽減する。
空気清浄機と呼べるエアコン「エアレスト」
空調主力商品の一つルームエアコンでは、空気清浄機能を大幅に強化した〝空気清浄機と呼べる、唯一のエアコン〟「Airest(エアレスト)」の提案にも力を入れる。
空気清浄機に使われている集じん脱臭フィルタと送風機(シロッコファン)を応用し、ルームエアコンで初めて空気清浄機の業界基準(JEMA規格)に適合した(適用床面積は55畳)。
有害物質や臭いを除去する独自技術「プラズマクラスターNEXT」を搭載。加えて、空気の吸い込み口全てを集じん脱臭フィルタで覆う新構造採用で、室内の空気を清浄にする。
同社では、こうした幅広い空調商品群の提案を強め、ウィズコロナ時代の必要アイテムとして普及促進に力を入れていく。