2020.10.26 【次世代自動車部品特集】コロナ後見据えた事業活動を加速地産地消要求高まる 生産や技術サポート強化

 車載用電子部品市場は、車の高機能化やEV/HEV化進展を背景に、車の生産台数の伸びを上回る成長が毎年続いている。特に、ADAS/自動運転のキーデバイスであるセンサーや通信系デバイス、撮像系デバイス、EV/PHV向けパワーデバイスなどは、車の技術進化とともに高い成長を遂げている。さらに、20年代半ば頃からは、車載5G(第5世代高速通信規格)関連需要も本格的に立ち上がる見通し。

 20年前半の世界の自動車マーケットは、新型コロナ問題による景気低迷や移動制限などにより、厳しさが続いたが、一方でコロナ禍においても日系や欧米系、中国系などの自動車メーカーや主要Tier1などの開発業務は継続的に進められていた。各社は今後も、コロナ後を見据えた活動を一段と加速させる。

 特に日本では、21年夏に東京五輪を控え、「自動運転技術のショーケース化」を視野に、ADAS/自動運転技術の高度化に向けた技術開発が、車両・インフラの両面で進むことを期待されている。

 電子部品メーカー各社は、自動車業界の地産地消要求の強まりに対応するため、生産・供給体制や技術サポート体制の強化に力を注いでいる。各社は、日米欧をはじめとする主要自動車メーカーやTier1に対し、顧客の近場での供給や技術サポートのための体制構築を進めることで、顧客満足度の向上や事業のスピードアップを目指す。

 特に最近は、米中貿易摩擦に伴う不透明さが増していることや、新型コロナ関連で一部の地域で工場の操業制限なども実施されたことで、これまで以上に、最適なサプライチェーン構築や、生産拠点のグローバルでの複線化などが重要性を増している。

 国内外の主要自動車メーカー同士や、有力IT企業、主要半導体メーカーなども含めた企業間連携の動きも一段と加速しているため、電子部品各社もこれらの動きを注視。同時に、車載用部品ビジネスの強化へ、日系電子部品メーカーによるM&Aやアライアンスへの取り組みも活発化さが継続している。