2020.11.02 OKIが新中計課題解決通じて持続的成長

22年度営業益200億円目指す

鎌上 社長

 OKIは、20年度から22年度までの3カ年の「中期経営計画 2022」を策定した。新型コロナウイルス感染症拡大がもたらした変化の加速も踏まえ、構造改革を実行。成長戦略では「OKIの特徴あるモノづくりとAI(人工知能)エッジ技術を融合、より多くのお客さまの課題解決を通じて持続的成長を目指す」(鎌上信也社長)。

 今回、22年度の中期経営目標(数値目標)として、「営業利益」200億円、「自己資本比率」30%を設定した。前提となる22年度計画値としては、売上高4650億円、当期純利益120億円、自己資本1150億円、ROE10%などを計画する。

 環境問題、自然災害、労働力不足など様々な社会課題が顕在化し、また、変化のスピードが加速する中で、「OKIの目指す姿」として『社会の大丈夫をつくっていく。』をキーメッセージに、「停止できない社会インフラサービスを支える高信頼性、高可用性などのクリティカルなモノづくり、機器群とクラウドとをリアルタイムに連携させたソリューションなどクリティカルなコトづくりで、社会課題を解決」(鎌上社長)していく。

 また、新たに設定したマテリアリティ(重要課題)に基づきESG(環境・社会・ガバナンス)の取り組みを強化し、中長期的な企業価値向上を目指す。

 構造改革では、ハードを中心とした3事業(メカトロシステム、プリンター、EMS)のセグメント統合により、モノづくりサービス、社会課題を解決する機器の創出など、戦略分野へのシフトを推進する。海外事業は、世界で勝てる、競争力のある商品を軸とした新たな販売戦略に合わせ、抜本的に見直す。

 この一環として、プリンター事業のOKIデータを21年4月に吸収合併する。開発リソースのシフトによる商品開発力強化、グローバルな販売拠点および生産拠点・生産統括機能のグループ活用などを進め、コンポーネント&プラットフォーム事業の成長を目指す。

 モノづくり基盤の強化では、ハード事業の統合により、700人規模の開発体制で技術の融合を進める。多様化するニーズへの対応力を強化、生産機能を再編し、最適拠点での生産、コスト低減に向けた改革を行う。また、マニュファクチャリングデジタルトランスフォーメーション(DX、デジタル変革)の取り組みとして、スマート工場化を進める。

 グループ共通機能のコスト改革では、3年間累計で調達コスト100億円、人件費・経費40億円を削減する。

 成長戦略では「モノづくりとAIエッジ技術を融合して社会課題ソリューションの提案型企業への転換を図り、より多くのお客さまの課題解決を通じて成長することを目指す」(鎌上社長)方針。AIエッジ技術により、現場データの見える化、およびクラウドと連携したリアルタイム処理に注力し、差別化を図る。DX領域での売上げは、22年度までの3年間で2倍以上に拡大させる計画。

 投資では、成長戦略の土台となる施設、設備、ITシステムのグループ全体への配備、導入など、3年間で700億-800億円の設備投資を予定。研究開発では、AIエッジ領域、社会課題を解決するコンポーネントの開発を中心に、3年間で400億円の投資を計画する。