2020.11.02 【NHK技研90周年特集】開発と放送現場を支える有力企業・団体 池上通信機

R2システム(リアルリモートシステム)

ロボットアーム・ソリューション「R2システム」を訴求

 池上通信機は、AIやロボティクスなどの先端技術を融合させた最新ソリューションとIPを活用した新たなシステムソリューションを訴求する。

 将来の放送の姿を見据えて、同社独自の直感的な制御技術に多軸ロボットアームを組み合わせ、従来の物理的な制約を乗り越え、正確な高速移動や画角変化を実現するソリューション「R2システム(リアルリモートシステム)」を開発した。

 人間の感性を取り入れたワークとロボットならではのダイナミックさの両立が特徴。カメラ・ロボットの高度な再現性とプリセット機能によるシンプルな操作で、それまでの作業負担を大幅に軽減する。

 カメラシステムの一つの提案としては、遠隔地からリモート操作も可能な小型カメラとロボットを使って、映像制作運用の効率化を提案している。

 昨年、新たに開発した2/3型ネイティブ4Kセンサー採用の4K/HDマルチパーパスカメラ「UHL-43」を独自の操作アプリケーションと組み合わせたリアルリモートシステムとして、新たな番組制作スタイルの可能性を訴求した。今年はソフトの改良を重ねて多様な動きができるなど、より実運用ができるよう進化させたシステムを提案。既に幾つかの番組で使い始めている。

 一方で、インターネットイニシアティブ(IIJ)主催のVideo over IP技術の導入促進を目的で創設されたイベント「VidMeet」に参加し、映像制作のIP化の普及のための取り組みも進めている。

 今年はオンラインで開催中の「VidMeet Online(http://vidmeet.tv/)」で、ロボットアーム・ソリューションのR2システムを紹介している。

 VPNネットワークによる回線インフラ、データセンターへの映像・音声信号の伝送、さらに遠隔制御を実演する。12月11日まで開催の予定。

 来年は創立75周年を迎える節目の年。カメラからシステム全体まで一貫して提案できる強みを持つ同社は、今後もベンダーと一緒にシステムに構築し、トータルソリューションとして提供する。

 今後も放送業界に貢献できる製品や使いやすいシステムの開発に取り組んでいく。