2020.12.24 EV充電設備を一括サポートエネット、遠隔制御による充電分散で電力コストを削減

サービスのイメージ図

 新電力大手のエネット(東京都港区)は24日、電気自動車(EV)の普及に対応して、充電設備の設置、運用、メンテナンスなどを一括サポートし、電気料金の上昇を抑えるサービス「EnneEV(エネーブ)」を始めると、発表した。遠隔制御でEVの充電を分散するなどして電力コストを抑制する。こうしたサービスは新電力としては初めてという。

 EVの低価格化が進み、中国や欧州、北米を中心にEVシフトが急速に広がっている。国内でも、RE100に参画した企業や、ゼロカーボンシティ宣言をした自治体などで、業務用車両のEV化が加速するとみられている。

 こうした中、複数台のEVを持つ自治体や企業などをターゲットの中心に据え、EV充電設備についてワンストップでサービスする。欧州を中心に世界21カ国で充電プラットフォームを運営するイスラエルのソフト会社「Driivz」と提携し、システムを活用する。

 新サービスでは、顧客施設の電力消費パターンを解析。消費のピーク時に複数台のEVが一斉に充電しないよう自動的に分散させるなどの制御を行い、電気料金の上昇を抑制する。エネットの需給調整ノウハウを生かし、取引市場の価格が安い時間帯などに充電するようコントロールすることで、さらにコストを削減する。

 サービス利用者は、月々の電気料金に数千円程度が上乗せされるが、「サービス料よりも、電気料金がコスト減になる効果の方が大きく、全体として利用者のメリットになる」(エネット)という。