2020.12.30 三菱電機、高効率モーターで鉄道車両省エネ化

同期リラクタンスモーター(左)と、モーター内部の回転子イメージ

 三菱電機は、鉄道車両向けに世界最大級の出力を実現した高効率同期リラクタンスモーター(SynRM)と、それを可変速制御するインバータ制御技術を世界で初めて開発(同社調べ)。同モーターで世界最大級となる最大出力450kWの高出力・変速駆動の実証に成功した。

 SynRMは、固定子の回転磁界と回転子鉄心内の磁気抵抗差によって生じる磁極との相互作用により、トルクを発生させるモーター。

 同社独自の電磁界解析技術を活用したモーター内における回転子鉄心構造の最適化などによって、世界最大級となる最大出力450kW級(定格200kW級)の鉄道車両用SynRMを開発。既存高効率誘導モーター比で50%の損失削減に成功した。

 SynRMの高トルク・中高速域での高効率特性を生かし、鉄道車両として必要とされる広い速度範囲での高効率運転を実現した。

 鉄道車両用同モーターに最適なインバータ制御技術を開発し、SynRMの可変速トルク制御を実現。最大450kWまで安定した出力が得られることを実証した。

 今後、東京メトロの車両に試験搭載し、21年3月ごろから夜間走行試験で性能評価を実施する予定。