2021.02.05 【抵抗器特集】製品動向0402など一層の小型化が進む

耐アーク性チップヒューズ

 スマートフォンをはじめとする高機能携帯端末や、各種小型モジュール、IoT関連機器向けに、チップ抵抗器の小型・薄型化の追求が進んでいる。特に5Gを契機として高機能化がさらに進むスマホは多機能化によって、端末内部の高密度実装化が一段と強まっている。

 チップ抵抗器にも一層の小型化が要求されている。今後は0603サイズ、0402サイズなどの需要が伸びていく見通し。同時に、チップ抵抗器の搭載点数を削減するため、2連チップなどの多連チップの搭載も進む。

 スマホの高周波回路では、高周波帯域での高精度な抵抗器が要求される。このため、抵抗値精度や抵抗温度係数などに優れた薄膜チップ抵抗器が用いられる。薄膜チップも小型化が要求され、0402サイズなどの小型化が進展している。

 電源回路では電流検出用途で低抵抗チップが用いられ、小型、ハイパワー、低抵抗が特徴の金属板チップ抵抗器などの需要が伸びている。最小サイズは1005サイズ。

 さらに、モジュールでは、部品内蔵基板で小型化する動きも見られる。部品内蔵基板の電気的接続には従来のはんだ接続に加え、レーザービアを形成することで、直接銅箔パターンとの接続を行う銅メッキ接続方式が採用されている。

 次世代ニーズに対応する小型チップ抵抗器の開発では、0201サイズの提案も始まっている。

 車載用抵抗器は、車の電子化・電動化進展に伴う新機能搭載により、年々、用途が拡大している。

 特に最近は、xEV化進展に伴い、モーター駆動関連のDC-DCコンバータ/インバータ、バッテリ、チャージャ関連でパワー抵抗器の需要が拡大している。ADAS/自動運転技術の高度化も、ECUの搭載点数を増やし、抵抗器の需要を押し上げている。

 ミリ波レーダー、車載カメラ、LiDARなどのADAS関連では、それぞれの制御回路を小型モジュール化する動きが見られ、チップ抵抗器は0603サイズ、0402サイズといった極小チップの採用が始まっている。電源周辺の回路向けでは、硫化発生による抵抗値断線を防ぐために耐硫化チップ抵抗器が開発され、特殊な材料を使用することで、一般的な汎用品に比べ数十倍の耐硫化特性を有する製品などが実用化されている。

 計測器や検査・分析装置などの高精度が要求される産業分野では、薄膜抵抗器や金属箔抵抗器などが多用される。

 金属箔抵抗器は、平面に圧延されたニクロム系金属箔を平滑なセラミック基板に接着した抵抗体とした抵抗器。0.14ppm/度などの最小抵抗温度係数(TCR)、プラスマイナス0.005%という最小抵抗値許容差、5ppm/年という非常に優れた長期安定性を特徴とする。