2021.02.22 【IHクッキングヒーター特集】 コロナ禍で自宅での調理機会増 下期以降、出荷が好調

IHクッキングヒーターの調理性能の高さなど最新モデルの良さを訴求することで、買い替え需要の獲得が重要となる

 IHクッキングヒーターは、安心・安全・クリーンといった本来の長所に加え、近年はグリルの調理性能の向上など調理機器としての進化が加速、ユーザーから改めて見直されている。買い替えサイクルも迎える中、コロナ禍で在宅時間が増え、家で調理する機会が多くなったことから、下期に入って出荷は好調だ。

 200Vビルトインタイプ(2口以上)の需要は、東日本大震災が発生した11年以降、一時需要が停滞していた時期があったものの、このところは回復基調にあり、市場は16年度以降〝再成長期〟に入ったとされる。

 ただ、コロナ禍により20年度の上期は苦戦となった。商戦に勢いが戻ってきたのは、下期に入ってから。下期以降は、2桁伸長に近いペースを戻しているという。

 今期は調理家電が好調だが、IHクッキングヒーターも同様に内食化が進んだことで、需要が回復している。

 20年度通期では63万-64万台程度とほぼ前年度並みのペースとなり、21年度以降は、買い替え需要に支えられ成長が期待できるとの見方だ。

 市場では2000年代前半に、オール電化の流れが加速したころに購入したユーザーの買い替え需要が見込める。買い替え時期を迎えたストック台数は、380万台程度と見込まれている。

 コロナ禍で、自宅での調理の機会が増える中、最新のIHクッキングヒーターは、調理性能が大きく進化しており、とりわけグリルの調理性能や清掃性の高さは、ユーザーにとって魅力的なポイントとなる。

 例えばパナソニックの最新モデルでは、冷凍した食材を、そのままグリルで手間なくおいしく焼きあげる〝凍ったままIHグリル〟が好評だという。

 まとめ買いで、食材を冷凍保存するユーザーは多く、これを解凍の手間なく簡単においしく調理できることによる〝時短〟が支持されている。

 合わせてグリルや天面の掃除のしやすさも家事負担軽減につながる特徴で、コロナ禍の中、IHクッキングヒーターの良さが改めて見直されている。