2021.03.26 【中国拠点特集】トーキン 東金電子科技(厦門)

東金電子科技(厦門)有限公司

陳 総経理陳 総経理

自動化・省人化推進で生産性向上

 トーキンの厦門市生産拠点「東金電子科技(厦門)有限公司」は、主力のEMC製品に加え、センサーの生産体制を強化している。生産性向上のため、自動化・省人化を強力に推進。車載製品比率の上昇に合わせ、さらなる品質向上にも取り組んでいる。

 同法人は1994年に設立。フェライトからコイル、トランスまでを一貫生産するEMC関連事業の主力生産拠点として安定的な稼働を行うとともに、数年前からピエゾ素子を応用したセンサーの生産も本格化させた。

 工場規模は6万3928平方メートルの敷地に建屋延べ床面積約4万8896平方メートル。年間出荷数量は約2億5500万個。従業員数は約1千人。陳官平総経理は「中国の人件費上昇に対処するため、日本の生産技術部門と厦門の生産技術部門が連携し、自動生産ライン導入を順次進めている。特にここ2、3年で手動から半自動、全自動への流れが加速した。生産革新活動による生産効率向上にも、20年にわたり継続的に取り組んでいる」と話す。

 同工場は、EMC製品では、車載用インダクタや、ノートPC用メタル/フェライトインダクタ、サーバー用メタル/フェライトインダクタなどを手がける。

 近年は車載製品の生産強化とともに、直近では5G関連向けの高性能なサーバー用インダクタの生産も好調。ノートPC用メタルインダクタも巣ごもり需要により受注が好調で、21年も堅調な推移を見込む。センサーは、日本で製造したピエゾ素子を応用した超音波センサーや人感センサーを生産し、18年以降、生産が急増している。

 21年度に向けた取り組みについて、陳総経理は「新型コロナ感染がほぼ下火になり、今年は市場の活発化が予想されるため、急激な受注増に迅速に対応できる体制を取っていく。特に自動車向けの市場拡大に対応するため、生産能力増強とともに、品質もより高めていく。5G用途での伸びが期待される高性能なフェライトインダクタの増産やコスト対応も強化する」と話している。