2021.03.30 【DX実現に向けた技術導入】㊦ 米ペガシステムズ・ドン・シャーマンCTOに聞く

シャーマン CTO

最適プロセス提案、自動化実現

 -DXが加速する中、注目すべきテクノロジーは。

 シャーマンCTO 多くの課題を解決する上で、自動化技術はますます重要となっている。現在、人々は物理的にも組織的にも広く分散される一方で、これまで以上につながっている。企業・組織は密接かつ相互に連携しながら、より流動的で柔軟なプロセスが必要。これが世の中の流れであり、プロセスとは何か、どのように自動化されているのかを異なる角度から捉えるべきだ。

 -予測不能な事態が起こる現代において自動化が果たす役割は。

 シャーマンCTO ビジネス界でも予期せぬ出来事は常に発生し、対応を再調整することを余儀なくされる。今日の自動化は、何百万もの順列が超高速かつ広範囲で起こっていることを意味している。しかし、それは決して無計画なことではない。企業・組織は、ユーザーに柔軟性のないパターンを強いることなく、応答性を高めるために「最適な」プロセスを適用する必要がある。複雑さを拡大することなく、シンプルさを実現するのに最適なプロセスを提供することが理想的だ。

 -最適なプロセスの自動化とは。

 シャーマンCTO 顧客は通常、何がどのように、なぜ機能するのか、舞台裏で起こっていることは気にしていない。彼らは自分のエクスペリエンスがシンプルであることを気にする。テクノロジーが目指すゴールが物事を容易にするということなら、複雑で分散され、かつ予測不能な世界では全てを一つにまとめるべきだ。そのためにプロセスオートメーションテクノロジーは、全ての分散されたピースを結び付けることで、顧客や企業・組織が目指す成果を実現する。

 -新しい試みですね。

 シャーマンCTO 業界の一部では、この新しいアプローチを「ハイパーオートメーション」と呼んでいる。RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)、AI(人工知能)、ローコードなどのテクノロジーを一貫した方法で組み合わせることで、エクスペリエンスを合理化し、顧客にとってはより優れた、そしてビジネスにとってはより効率的なものとなる。

 -今後の自動化技術展望は。

 シャーマンCTO 企業・組織は、特定のプロセスで発生するタスクを全て予測することはできない。そのため昨今のテクノロジーでは、AIとリアルタイムデータでパターンを特定し、APIを介して点と点をつなぎ合わせ、ボットを使用してプロセスを合理化している。イベントの発生が顧客の行動からであろうが、「エッジ」でつながっている数々のIoTデバイスであろうが、イベント駆動型である必要がある。そして、それはそれぞれのユニークなカスタマジャーニーに適応するために、流動的でなければならない。未来に向けて、バランスの取れた「最適な」プロセスを実現するには、洞察力、革新性、オープンマインドの組み合わせが必要だ。(おわり)