2021.04.14 【メディカル・ヘルスケア用部品・材料特集】中興化成工業マルチルーメンチューブ、自由な形状が可能

マルチルーメンチューブ

 中興化成工業は、フッ素樹脂(PTFE)などの高機能樹脂の総合加工メーカー。PTFEは、滑り性や耐薬品性、耐熱性などの特性から、医療機器関連用途でも多用され、同社の医療関連向け売り上げも順調に拡大している。

 同社は14日開幕の「Medtec Japan」に出展し、カテーテルや内視鏡などの各種医療機器向けの最新のPTFE製品を紹介する。

 PTFE異形押出し製品のマルチルーメンチューブは、PTFEを金型やバッジ製造、押出成形で製造した製品。PTFEの持つ、滑り性や耐薬品性、耐熱性などの特性を保持したまま、自由な形状設計が可能。押出成形のため、機械加工品で不可能な長尺品の製造ができる。主に内視鏡システム向けに提案する。

 カテーテルの内装に使用されるマイクロチューブ(PTFE薄肉チューブ)はコーティングおよび押出成形の両方に対応でき、高精度の製品を提供する。顧客ニーズに合わせ、極薄(コーティング)、高強度(押出)などの性能を付与した製品の提供が可能。

 PTFE多孔質製品は、シート状やチューブ状、打ち抜き形状で提供可能。PTFE樹脂のみのため、耐熱性、耐薬品性、耐候性に優れる。多くの気孔により通気性、透湿性を保ちながら防水、撥水機能も併せ持つ。PTFE厚肉多孔質チューブ「TEF-100」は、PTFEを延伸により多孔質化した製品となる。多孔化により空気を多く含み、優れた保温(断熱)性能を保つ。高温環境下で寸法変動が起こりにくく、寸法安定性に優れる。

 同社は医療向けなどの生産能力増強のため、宇都宮工場の新建屋「ウエストウイング」を建設中で、今年12月の完成を予定している。