2021.04.16 米デルがヴイエムウェアを分社化2社でさらなる成長へ
米デル・テクノロジーズは14日、81%の株式を保有するヴイエムウェアをスピンオフすると発表した。手続きは2021年10~12月期に完了の予定。デルは93億~97億ドルの収益を得て、負債圧縮に充てる。両社は今後独立した二つの企業として、データ社会でのさらなる成長を目指す。
パソコンを中核としてきたデルは16年に、仮想化技術開発のヴイエムウェアを傘下に持つ米EMCを総額670億ドルで買収。以後、社名を「デル・テクノロジー」に改め、世界最大規模の総合ITインフラベンダーとして事業を展開している。ヴイエムウェアについては昨年来、株式売却など複数の選択肢を検討していることが報じられていた。
ヴイエムウェアは今回の取引完了後、デルを含む全株主に対し現金による特別配当115億~120億ドルを支払う。約8割の株式を保有するデルは93億~97億ドルを取得する見通し。分社化後も両社は基幹ソリューション開発や、販売・マーケティングで協業していく方針だ。
デルのマイケル・デル会長は「ヴイエムウェアをスピンオフすることで、両社にさらなる成長の機会がもたらされる。我々は今後も重要なパートナーであり続ける」と述べた。
今回の取引を通じてデルは資本構造をより強固なものにし、成長を続ける技術インフラストラクチャーおよびクライアント市場での主導的立場をさらに強化。また、ハイブリッド、クラウド、エッジ、5G、通信、データ管理など新たな成長分野を拡大していく。
21年1月期のデル・テクノロジーズの売上高は、新型コロナウイルス感染症の拡大による急速なデジタル化の進展を背景に売上高942億ドル、営業利益51億ドルと、いずれも過去最高を記録した。ヴイエムウェアの通期売上高は119億ドル、営業利益36億ドルの増収増益だった。