2021.05.28 【スマートファクトリー特集】東芝インフラシステムズVmシリーズtypeS、制御PLCを統合管理

 東芝インフラシステムズは、産業機器分野で長年培った基盤技術やノウハウを生かし、スマートファクトリーへの取り組みを加速させている。

 スマートファクトリーへの関心が国内外で高まる中、顧客が抱えるさまざまな課題を解決する手段として、同社はユニファイドコントローラー「VmシリーズtypeS」を提案。食品製造ラインなどで導入されるなど、実績も着実に拡大している。

 食品製造ラインではPLC(プログラマブル・ロジック・コントローラー)から設備データを取得しているが、①収集した結果を製造ラインにフィードバックできていない②異なるメーカーのPLCが多数稼働しており、制御プログラムの管理に手間が掛かる③システム変更に伴う作業員への説明、テストなどの手間が掛かる--などの課題を抱えている。

 typeSは、これまでバラバラに管理していた制御PLCを統合管理し、各設備PLCのパラメーターをフィードバック可能になるなど、これらの課題を解決できる。

 収集した設備データを社内で使用する帳簿に転送する二度手間がなくなるとともに、社内で使っている帳票もtypeS上で動作するので、継続して従来の仕組みを使えるようになる。製造ライン上に混在する他社製PLCもtypeS上でパラメーター調整ができ、製造ラインのさらなる効率化につながる。

 typeSの特長は、これまでのパソコンベース(ウィンドウズOS)だとリアルタイムに収集できなかった多数のPLCからリアルタイムデータ収集を可能にしたこと。これにより、設備間の組み合わせで発生する相互因果関係も正しく分析でき、フィードバックできるようになる。

 他社製品ではPLCとコンピューター機能間のデータ転送のため、PLC側に通信用プログラムが必要となるなど課題も多かったが、typeSはコントローラーとコンピューターが一体となっているため、収集したデータは共有メモリー方式で、簡単に転送可能で有用性が高い。