2021.06.03 【ケーブル技術ショー特集】日本アンテナM-AMPを紹介
日本アンテナは、少子高齢化や人口減少、環境問題など日本が抱えている社会課題を解決する製品やサービスの開発を強化している。ケーブル技術ショーでは、創業から67年にわたり培ってきた電波伝送の技術とノウハウを生かしたソリューションを前面に出し、テレビの視聴環境を遠隔監視し制御するサービスをはじめ、大気や河川の状態を監視し速やかに水害などの情報伝達ができる仕組みなどを紹介する。
少子高齢化や人口減少などの課題に対しては、遠隔からテレビの視聴環境を守るソリューション「M-AMP」を提案する。M-AMPはテレビ受信に必要なアンテナブースターにIoT技術と電波制御の技術を組み合わせた遠隔監視制御システム。ネットワークで日本アンテナのクラウドに接続し、遠隔から視聴環境を監視するとともに最適な制御や、将来は故障が起こる前に保守対応する予知保全の実現も目指す。「アンテナ入力だけでなく先にある宅内設備の監視などにも使えるようになる」(同社)とみており、既にビルやマンションなどの共同住宅での導入検証を進めている。展示ブースではM-AMPの詳細を確認できる。
環境問題への取り組みでは独自の電波測定技術を使った豪雨の発生予測をはじめ、河川増水と氾濫の監視を行う仕組みを紹介。政府や情報通信研究機構などと研究を進めている集中豪雨をもたらす線状降水帯の発生と発達を予測する仕組みや、920メガヘルツ帯を使って河川の水位を観測するクラウド型監視水位計を出展する。水位計は独自のアンテナ合成技術を使い低コストで広範囲な水位観測ができ、富山4河川をはじめ地方自治体でも導入されている。そのほかガード下などの冠水を監視できる冠水位計も展示する。
ブースでは同社製品やサービスの情報だけでなく、価格や納期、技術情報といった取引業者が知りたい情報を提供するコミュニケーションサイト「日アンねっと」を紹介。サイトは2020年に大幅リニューアルし、営業担当だけではカバーできないきめ細かい顧客支援ができるようになった。「当社ナンバーワン営業担当として、サポートできるようにしたい」(同社)。