2021.06.21 ヤマダHD、ネット銀行立ち上げ預金や決済、住宅ローンなど提供

7月1日に立ち上げる「ヤマダNEOBANK」では、ヤマダポイントとの連携を図る

 ヤマダホールディングス(HD)は21日、金融子会社のヤマダファイナンスサービスを通じてネット銀行「ヤマダNEOBANK(ネオバンク)」を7月1日に立ち上げると発表した。預金や決済、住宅ローンなどの金融サービスの提供に乗り出す。

 パートナー企業が銀行機能を提供できるようになる住信SBIネット銀行(東京都港区、円山法昭社長)の「ネオバンク」を利用する。ヤマダHDは昨年10月に住信SBIとの協業を発表しており、今回はそれを具体化した形だ。

 口座開設はヤマダのスマートフォンアプリから行う。9月30日までは、口座開設に加え、ヤマダが提供するクレジットカード「LABIカード」の加入などを合わせ、最大8500円相当のヤマダポイントをプレゼントする総額1億円相当の還元キャンペーンを実施する。

 口座を開設するとキャッシュカード一体型のデビットカードを発行。ヤマダ店舗で家電の購入時などにデビット決済を行うと通常のヤマダポイントに加えて、ヤマダネオバンク利用によるポイントを別途付与する。住宅ローンの利用でたまるようにするなど、ヤマダポイントと連携したさまざまなサービスを検討している。

 住宅ローンは当面、ヤマダHDグループの住宅メーカーであるヤマダホームズとヒノキヤグループで住宅を購入した顧客に限定する。「グループ内での提供でスタートするが、今後は他の住宅メーカーの購入時にも提供していきたい」(ヤマダファイナンスサービス)。キャッシュカードを使わず、アプリからATMを利用できるようにするサービスの提供も今後予定している。

 ヤマダ店舗にヤマダファイナンスサービスの担当者は常駐していないため、店舗ではチラシ配布などでヤマダネオバンクの認知度を高めることを狙っていく。

 これまでヤマダファイナンスサービスは、住宅ローン「フラット35」を中心にサービスを提供してきたが、「ニーズが限られていた」(ヤマダファイナンスサービス)という。今回、ネット銀行を立ち上げ総合的な銀行サービスを提供できるようにしたことで、ヤマダHDは、家電から家具、インテリア、住宅などに金融を加え、暮らしまるごとを提案できる体制を一層強化した。