今年後半戦に向けてはより付加価値の高い家電製品が求められるようになりそうだ。コロナ禍での生活は今後も続くことから、質の高い在宅時間を実現させる提案が不可欠になる。

　映像関連は夏の東京五輪・パラリンピックの開催に向け需要増が期待され年末商戦に向けても買い替え需要を中心に伸長すると見られる。白物家電の需要も基本的には明るい。特にコロナ禍で除菌や衛生などに対する意識も高まっているため、掃除機や空気清浄機なども継続して伸びそうだ。

4K買い替え進む

　テレビやレコーダーなどの映像関連機器は、スポーツイベントを契機に伸びていきそうだ。高精細4Kを中心に大画面テレビの買い替えが進むほか、寝室や子ども部屋などの2台目、3台目需要も引き続き伸びていく見通し。レコーダー機能も専用機ならではの良さをいかに伝えていくかが課題になりそうだ。好調な4Kテレビの販売とともに、多様な視聴ができるレコーダーをセットで提案することも求められる。（2面）

家電をネット接続

　巣ごもり需要は白物家電にも追い風が吹いている。自宅で過ごす時間の質を高める機運は高まっている。特に最近はインターネットに接続してハードとソフトウエアサービスを組み合わせた家電製品も増えてきた。これまで家電製品をネットワークにつなぐスマート家電が話題になっていたが、ここにきて具体的な製品やサービスも増えている。調理家電とレシピを組み合わせるだけでなく食材の調達などもできるようになってきた。こうした新しい家電と組み合わせたサービスへの取り組みは黎明（れいめい）期ではあるが、常に新しい動きが出る領域でもあり目が離せない。（3面）

除菌・衛生に関心

　コロナ禍での生活も2年目に入り、除菌や抗菌といった衛生に対する意識も高まっている。各社は空気清浄機の提案を強化しており、ウイルス不活化などでも効果が見られるオゾンなども注目されるようになってきた。自宅でも安心したいという要望から空気をきれいにする流れはこの先も増えると見られ、より除菌性能などの高い高機能製品の販売も伸びていきそうだ。（5面）

掃除機など注目

　衛生面では掃除機や洗濯機も注目だ。在宅時間が伸びることで掃除をする人が増えてきた。特に小型とハイパワーを両立し、簡単に掃除ができるスティック掃除機も需要が伸びている。今後は掃除回数が増えても負荷にならない手軽な掃除と空気を汚さないことが実現できる製品がさらに伸びていくだろう。洗濯機も同様に注目だ。家事の負担を減らしながら清潔にしたいというわがままな需要に応える製品が増えている。洗剤や柔軟剤の自動購入サービスなども出ており、今後は洗濯機のネットワーク連携も進みそうだ。（4面）

食への意識高まる

　在宅でもう一つ需要が高まったのが食に対する製品だ。調理家電や冷蔵庫なども購入対象になってきている。特に頻繁に外出せずに鮮度の高い食材を調理するために大容量冷蔵庫の需要が増えてきている。

　自宅で調理する機会が増えたことから、炊飯器や電子レンジも潜在需要はある。より簡単においしい調理ができる調理家電も注目されてきているため、今後は具体的な利用シーンや、使いこなすことで食がどのように良くなっていくかなどを示せるような提案活動が販売拡大には欠かせなくなるだろう。（4、5面）

　ワクチン接種なども進み、今後は在宅時間と外出時間のバランスが取られるようになってくると見られる。

　具体的な利用シーンなどを示した提案活動が、販売拡大のカギになりそうだ。