2021.07.29 【半導体/エレ商社特集】コアスタッフオンラインサービスで供給不足対応

戸澤 社長

 コアスタッフはウェブ販売と従来型の営業を組み合わせたハイブリッド営業を強みに、事業拡大を続けている。半導体や電子部品が市場全体で不足する中、幅広いサービスを提供、顧客の安定した生産維持に貢献する。

 巣ごもり需要やテレワークの増加、自動車市場の急回復などの影響もあり、半導体・電子部品の需要は昨年末から高まっている。同社の受注も好調に推移、9月末までは高水準を維持する見通し。

 幅広い産業分野での需要増加は需給バランスに影響を及ぼし、半導体の供給不足が世界中で深刻化。米国での寒波の影響もあり、半導体のみならずコネクターなどの電子部品でも価格高騰や納期長期化などが続く。

 同社ではインターネットディストリビューターや海外現地法人を活用した調達などメーカー以外の調達ルートもフルに生かし、安定供給に努めている。EMSやメーカーが抱える余剰在庫の買い取りや委託販売も行っており、顧客の求める製品の調達に取り組む。

 同社のオンライン販売サービス「コアスタッフオンライン」では自社在庫10万点、他社在庫600万点の製品をウェブ上で発注できる、ワールドワイドで見ても有数なマーケットプレイスだ。自社の在庫のみならず、提携企業の余剰在庫情報も公開している点が大きな特徴。5拠点ある海外現地法人も活用し、海外の在庫情報も収集、公開している。

 戸澤正紀社長は「半導体・電子部品の入手難だけでなく、生産中止品や余剰在庫の増加、人手不足など、顧客は多くの課題を抱える。これらの課題を解決することが当社の存在意義。従来提供するさまざまなサービスを強化し、社会課題の解決に貢献する」と話す。

 同社は今年4月、新たな中期経営計画をスタート。事業領域を拡大し、半導体・電子部品以外の製品提供も行っていく。今月末には工具などを扱うトラスコ中山(東京都港区)と提携し、各種製品の取り扱いを開始する。

 戸澤社長は「今月タイオフィスが現地法人化し、小回りの利くサービスを提供できるようになった。長野の物流センターも拡張する計画。中長期的な成長に向け、投資も継続する」と話す。