2021.07.29 【半導体/エレ商社特集】ミカサ商事既存事業の収益基盤を固める

中西 社長

 ミカサ商事は、2022年末の株式公開に向け、7月から組織体制を強化し、新中期3カ年経営計画(21~23年度)を推進する。

 中西日出喜社長は「22年末の株式公開をジャンプ台にして、企業価値の向上を図りながら、グローバル企業として事業の変革を推し進める。当社の目指す姿は、人類の快適で豊かな未来の実現に貢献するソリューションパートナー企業だ。グループの多様なナレッジをフル活用して、ハードとソフトウエアによるソリューションを高い付加価値として、特定領域におけるミカサブランドを確立する。そのため、まずは既存事業の収益基盤を確固たるものにし、周辺事業、新規事業による新たな成長ステージへのシフトを加速する」と説明する。

 23年度連結で売上高500億円、営業利益8億円が最低限の目標。6月には社外取締役を2人増やし3人体制にして、企業ガバナンスの強化を進めた。

 7月には従来の営業本部・管理本部の2本部制を営業部門5本部、管理部門3本部とし、本部ごとの責任と進捗(しんちょく)をより明確に見える化していくことにした。

 具体的な施策としては、中核を成すデバイス事業は、グリーンイノベーションに基づくパワーモジュールデバイス製品の販売拡大、ストレージ製品、カメラソリューションなど、コアビジネスの再構築を図る。

 バリューチェーン拡充のためには、完全子会社化した半導体ベンチャー、インターチップを中心としたファブレス事業の拡大および文教ソリューションをキーにしたシステムソリューション事業の育成を加速する。

 また、海外成長市場へも安定成長を実現するため、中華圏を中心に欧州などへの積極投資も継続する。以前からの業務提携先に加え、新たな企業ともパートナーシップを結び、ソフト事業の拡大や新規事業への参入を図る。

 著しい事業環境の変化、業界の再編など、厳しい外部環境に対して新たな付加価値を創造し、事業変革を成し遂げる。

 21年度以降もM&A、協業など事業拡充を積極的に推し進め、株式公開後のさらなる躍進につなげる。