2021.09.17 ワクチン接種歴をスマホに表示デジタル庁、年内に証明書交付の方針

記者会見に臨む平井デジタル相=17日、東京都千代田区

 デジタル庁は17日、新型コロナウイルスワクチンの接種歴が確認できる証明書の電子交付を年内をめどに始める方針を明らかにした。スマートフォンの画面に接種証明書を表示する計画を示した仕様案を公開し、交付を検討する事業者や自治体などを対象に同日から意見の募集も始めた。

 同庁によると、まずは海外渡航者がワクチン接種の電子証明書を使えるようにする。国内利用も検討しているという。

 自治体が交付する紙の接種証明書には氏名や生年月日のほか、ワクチンのメーカー名や製造番号、接種日などが記載されている。仕様案によると、紙で交付する証明書と同等の内容がスマホの専用アプリ上で確かめられる。

 利用者はスマホでアプリをダウンロードし、マイナンバーカードの読み取りと4桁の暗証番号で申請すると、接種情報が「二次元コードも付き証明書」という形で交付される仕組みを想定している。

 ワクチン接種の証明については7月末に紙での申請交付が開始。8月下旬には希望する自治体で、行政手続きの検索やオンライン申請が行える「マイナポータル」のサービスを活用し、電子申請の受け付けを開始した。

 平井卓也デジタル相は同日の閣議後記者会見で、接種証明書の方向性に関して「年内の電子交付を目指して準備が進められている」と説明。意見募集の狙いについては「より使い勝手の良い仕組みづくりにつなげたい」と強調した。

 仕様案には、ワクチン接種情報を取得できる「API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)」と呼ぶ技術仕様を公開し、事業者が予約サイトなどで使えるようにする計画も盛り込んだ。平井氏は「『ウィズコロナ』時代の経済活動に一定の効果がある」とも語った。