2021.09.29 【ASEAN特集】東京コイルエンジニアリングタイ(TCT)
TCTの外観
大型設備投資を実施
東京コイルエンジニアリングは、ストロボ用昇圧トランス・トリガーコイルなどに強みを持ち、創業約40年。カメラ業界の厳しいコスト要求にも応え、ワールドワイドでのシェアを大きく確保している。市場環境に対応し、「存在価値のある企業」を掲げる。
ASEANではタイとラオスに生産拠点を構える。
このうち、タイ(TCT)は、チェンマイ市近郊のランプーン工業団地に立地。パワーインダクターに特化する中、フェライト系に加え、金属系タイプでは量産規模を拡大するために大型設備投資を実施している。
生産しているパワーインダクターは、2ミリメートル角サイズから数十ミリメートル角サイズの大型チップまで、多彩なラインアップを展開。携帯電話やデジカメなどの携帯機器向けから、パソコンなどの情報機器、LED照明、産業機器向けまで、幅広い分野に対応する。さらに車載向け需要も想定し、IATF16949の認証も取得している。
カメラ市場自体では大きな伸びを想定しづらいものの、取引先から新たな分野の注文を受けるなど、培ってきた技術と品質への信頼を基に展開を進める。
タイでは新規開拓強化のため、販売会社(TWT)も設立した。日本からの営業支援を受けつつ、現地生産の利点を生かし、きめ細かに新規開拓を進め、製販一体で事業を拡大している。
また、隣国ラオスの拠点(TCL)は、タイの衛星拠点的な位置付けで、カメラ用トランスやトリガーコイルに特化。ストロボ用の生産にはタイ工場の自動化生産技術を取り入れ、省力化を図りつつコスト、品質面で生産性を高め、高シェアを維持している。
今後も、トランスやトリガーコイル、ストロボ関連はTCLへの集約をさらに進めていく。パワーインダクターはTCTでさらなる投資を継続する。
小型、低背で、大電流、低漏れ磁束といった高い技術の製品を生産し、競争力を高めていく考えだ。コロナ下でも対策を実施しながら、生産体制の持続に努める。