2021.09.29 【ASEAN特集】たけびしLe Champ
田村 代表
子会社化で相互シナジーを発揮
たけびしは、シンガポールで電子部品・機器販売を行うLe Champ(South East Asia)Pte Ltdを子会社化した。取引企業や取扱商品の重複がないことから、相互のシナジーを発揮できる形で事業を推進。シナジー効果を生かし、今年度の売り上げは前期比2桁アップを目指す。
Le Champはシンガポールに1982年に設立。現在では東南アジア各国など8カ国14拠点を展開しており、約600社の顧客基盤と日本などメーカー約200社の仕入れ先を有する。スタッフはシンガポールで50人、全体で140人体制。売上高は19年12月期で109億円。20年12月期は100億円に届かなかったものの、21年12月期は100億円強を見込む。
7月に代表に就任した田村裕明氏は「スタッフは勤勉で仕事熱心だ。リポートもシステム的にしっかりと報告してくれる。コロナ禍で現場が見にくいが、ウェブを活用し、リモートで面談するなど会話を重視している」と話す。
シンガポールでは現在、材料不足からのデリバリー問題が深刻化している。そのような中でも同社は半導体デバイス関連向け、家電向け、スマートファクトリー関連向け、自動車向けなどが好調に推移しており、6月の子会社化から幸先が良いスタートを切った。さらに、海外拠点も中国やタイなどが順調。マレーシアやインドではコロナ禍の影響が出ている。
10~12月に向けて、新しいビジネスを獲得する動きを強めている。メーンの仕入先以外で新たな企業50社をターゲットに仕入先の拡大にチャレンジしている。「好調に推移している中、動きを止めずに日々活動する」(田村代表)。
たけびしは中国やアジアなどに拠点があり、エリア的に重複する箇所もあるが、当面の活動は別々に取り組み、お互いの特徴を伸ばしていく。一方で人事交流を進めており、情報共有を図って効率的に事業拡大を目指す。「たけびしと当社は仕入先も違い、顧客もかぶらない。クロスセルで相乗効果を図る」と田村代表。
来年度はスマートファクトリーや5G、ICT、EV関連向けが伸びると予想している。22年12月期の売り上げは110億~115億円を目標に、守るところ、攻めるところを明確にし、機動力を持って新しいビジネスに挑戦する。