2021.09.29 【関西特集】地方創生や災害対策に力 KDDI・田中稔関西総支社長「お客様に一番身近に」ライフデザイン商材提案 生活全般を豊かに

田中 総支社長

 今年4月にKDDI関西総支社長に着任した田中稔氏は、コーポレート系業務に携わってきた経験とスキルを生かし、KDDIグループの事業を関西で、全力で支援する。また、地方創生や災害対策に一層力を入れる。「事業部門、技術部門と距離が近いことを生かして、よりよい社員サービス、新たな地方創生活動などのアイデアを生み出したい」と語る。

初めての大阪勤務

 田中総支社長は1962(昭和37)年8月3日生まれ。87年3月東京大学法学部卒業後、KDD入社。営業、グローバル事業の企画を経験した後、司法修習を経て98年に弁護士登録し、法務部長、総務部長、総務本部長を歴任。今年4月に現職。

 「高校まで奈良県に住んでいたが、大阪で勤務するのは初めて。関西は、大阪商人の合理性、安くてよいものを、というシビアな目を持ちつつ、東京と並ぶ進取の精神がある」(田中総支社長)。

 総務本部長時代には法務部、知的財産室、総務部配下のサステナビリティー・SDGs、内部通報、災害対策BCP、コーポレートガバナンス、ファシリティー管理などを経験。モットーは「目的本位で、今より一歩前へ。今できることに集中する」。「仕事の目的、本質を把握することで、改革のアイデアを導き出す力となり、個人のやりがいにもつながる。誰もが今、自分のいる場所から一歩前に行くことはできる。小さな積み重ねが一歩ずつの進歩、そして大きな進化、喜び、楽しみにつながると実感する」(同総支社長)。

 関西エリアでは、「お客様に一番身近に」を目指し、auショップでUQの取り扱いを開始し、利用シーンに合ったブランドを提案。また、ライフデザイン商材を提案することで、生活全般を豊かにする。デジタルデバイド解消(ネット通信弱者をなくす)のため、一部のauショップなどでスマートフォンによるマイナンバーの申請など高齢者のリテラシー(スマホのスキル)向上のセミナーを実施している。「通信、金融、各サービスを通じてワクワクを提案し続けたい」(同総支社長)。

働き方の変化に対応

 法人顧客に向けては働き方の変化に応じたテレワークの環境整備や、DX、IoTサービス提案により法人顧客の事業拡大を、オンラインを活用しながら展開。技術関連では大阪環状線の5Gエリア化などを実現。大阪のバックアップ機能拡充としてネットワーク監視機能の東京と大阪の二元化をさらに強化している。総支社では、関西地区で新型コロナワクチンの職域接種を実施。また、テレワーク拡大に応じたオフィスフロアの改装と効率化を実現した。

 サステナビリティー活動の柱として、地方創生に関わる活動に注力している。地域との信頼関係を構築し、事業を通じて地域社会の課題解決と活性化を実現することにより、社会の持続的成長に貢献する。

 今年度に入り、管内では明石工業高等専門学校とイノベーション人財を育成する包括的連携協定、枚方市と高齢者のICT利用促進に向けた連携・協力に関する協定、兵庫県立芸術文化観光専門職大学と包括的連携に関する協定を締結。この下半期は兵庫県豊岡市のコウノトリ保護のための環境保全活動、和歌山県の熊野古道の道普請活動を予定。社内で自然環境保護を通じて地域社会に貢献し、サステナビリティー意識を高める方針だ。

 今後は、関西総支社としてKDDIグループの事業を全力で支援し続ける。地方創生を一層進め、災害対策にたゆまず努力する。災害に強い通信基盤の構築や災害時の基地局の早期復旧、避難所支援などを迅速、確実に展開するため日々、体制やシステムを改善し、社外機関、企業との連携を強化する。カーボンニュートラル施策では理解浸透、関西での事業機会の創出などに尽力する。

 田中総支社長は「関西は事業部門、技術部門と距離が近い。緊密な連携や自治体、他事業者との連携を大切にしながら、お客さまへのサービス提供、グループ社員へのサービス提供、地方創生、BCPを一層磨き上げたい」と抱負を語った。