2021.10.05 ループ、再エネファンド通じ米社に出資電力モニターアプリ開発、エネルギーのデジタル化貢献
新電力のLooop(ループ、東京都台東区)などは、家庭用電力モニターなどのアプリケーション開発を手掛けるセンス社に出資を行った。設立した再エネファンドを通じた投資で、額などは非公表。センス社について「国内でエネルギーのデジタル化に貢献できる技術が魅力だ」と評している。
ループやエネチェンジなどが設立したファンドが出資した。センス社は2013年に米マサチューセッツ州に設立されたスタートアップ。同社の家庭用モニタリング技術は、家庭内の消費電力を最大で毎秒100万回計測して分析し、家電製品のオン・オフや電力消費量を特定できる。
同社のアプリケーションは、電力モニターや自動計測した電気使用量を、搭載する通信機能でデータ取得できるスマートメーターなど向け。人工知能(AI)技術を活用し、住宅用太陽光発電や電気自動車(EV)などの充放電をリアルタイムに監視できる。
今回の出資の背景には、家庭で家電や住宅設備などがインターネットでつながる「スマートホーム」の国内市場の伸びがある。25年までに18%の拡大が見込まれているといい、こうした市場でセンス社の技術が生かされていくと推測する。また、各国でスマートメーターの導入が進展。搭載機能の高度化も進んでいる中で「大きな成長の可能性を秘めている」(ループ)と見る。
再エネが広く普及すれば、天候などで電力供給が変動する。そのためループは、柔軟に調整できるよう家庭に節電などを求めて需要面の制御に取り組み、その手法の一つである家電製品の自動制御にも関心を示している。
「今後、再エネが普及していく上で、発電する側だけでなく、使う側のコントロールや蓄電、スマートメーターの技術などを重視している。こうしたエネルギーマネジメントに注力していく」(同社)。