2021.10.13 完全バランス構成プリアンプ投入アキュフェーズが独自の音量調整機能採用

完全バランス構成プリアンプ「C-2900」

 アキュフェーズは、独自の音量調整機能「Balanced AAVA」を採用する完全バランス構成プリアンプ「C-2900」を11月から発売する。価格は143万円(税込み)。

 一般的なプリアンプは、可変抵抗を使ってボリュームを調整するため、接点の劣化、いわゆるガリが発生したり、通常のボリューム位置でノイズが増加したりしてしまう。一方、AAVAは入力信号から大きさの異なる複数の信号をつくり、その信号の組み合わせを切り替えて音量を調整するのでガリが発生せず、全てのボリューム位置で極めて少ないノイズ・レベルを実現できる。

 C-2900では、AAVAをバランス回路で構成したBalanced AAVAを搭載しており、ノイズ・レベルは従来機種よりも約20%減少している。

 AAVAは、「ボリューム・センサー機構」でボリューム・ノブの位置を検出し、信号の組み合わせを切り替えて音量を調整する。同機では、アルミニウム・ブロックを超精密加工で削り出し、硬く重い素材を用いたボリューム・センサー機構を自社開発、ノブ回転時の滑らかな動作、重厚な操作感、緻密な位置検出を実現している。また、リモート・コマンダーによる操作時の動作音を抑え、静かで快適な音量調整ができる。

 AAVAなどの音楽信号回路は左右それぞれ6枚のユニット・アンプで構成されている。これらのユニット・アンプを左右それぞれ「8ミリメートル厚の硬質アルミニウム・フレーム」で囲むことで、電気的干渉や物理的振動を抑制し、音質に悪影響を与えないように細心の注意を払っている。

 回路のエネルギー源である電源は音質に大きな影響を与える。同機は放熱フィン付き鋳造アルミニウム・ケース入りの高効率トロイダル・トランスを左右それぞれに搭載した。さらに、1万μFの大容量・高音質フィルター・コンデンサーを開発、左右それぞれ2個ずつ搭載し、負荷変動に強い余裕のある電源を供給する。