2019.11.22 【東京インターナショナルオーディオショウ特集】オーディオ活性化を支える〝ハイレゾ〟の現状

(表1)ハイレゾロゴ認証製品数の推移

(グラフ2)ハイレゾ認証機器の製品カテゴリ別機種数(グラフ2)ハイレゾ認証機器の製品カテゴリ別機種数

(図1)CDとハイレゾ/ブルーレイディスク・オーディオの比較(図1)CDとハイレゾ/ブルーレイディスク・オーディオの比較

(図2)ハイレゾワイヤレス(図2)ハイレゾワイヤレス

認証機器、9月で2200機種弱に

 ■増え続けるハイレゾロゴ認証製品

 JASが14年6月26日に発表した新音質規格の「ハイレゾリューションオーディオ(ハイレゾ)」の認証機器は、9月に国内外120社強。認証製品は2200機種弱に増加している(表1とグラフ2参照)

 ハイレゾは第1図が示すように、音域(再生周波数幅)がCDの4倍以上、音の大きさの階調(精細さ)は256倍にもなる。

 ハイレゾロゴを冠した製品は音質が良さが保証されていることがユーザーに浸透して、多くの音響関連製品が認証を受けるようになった。

 ■ヘッドホン/イヤホン関連がけん引

 グラフが示すようにハイレゾ認証機器の中で、ヘッドホン/イヤホン関連製品(太枠)は、若年層やオーディオ入門層の拡大に貢献している。

 ヘッドホン/イヤホン関連製品の主流は、ブルートゥースを搭載したケーブルレスの無線方式の製品。18年末にブルートゥースを対象に〝ハイレゾオーディオワイヤレスロゴ〟が制定されている。

 目的と背景を、JASは「ワイヤレス接続のヘッドホン/イヤホンや小型スピーカが急成長しているが、ブルートゥースなど無線接続の〝音質〟は野放し状態だった。無線接続でも高音質で伝送できるオーディオコーデックができたことから制定した」と説明する。

 〝ハイレゾワイヤレスロゴ〟のライセンス認証条件は、データを圧縮(エンコード)して無線で送り、伸長(デコード)して元のデータに戻す〝コーデック〟の認証。そのほかの回路も含む〝プロダクト〟の2項目が〝ハイレゾ〟の規格に適合していることの2条件になる(図2参照)

 コーデック認証は聴感評価と、テスト音源と評価ツールを使った試験で、スペックをクリアすることが求められる。プロダクト認証は認証済みコーデックを使い、無線伝送以外は「ハイレゾオーディオロゴ」規定のスペックを満たすこと、とされている。

 ■新コーデックも認証された

 コーデックは、ソニーが申請した〝LDAC〟が認証に合格していたが、新たに台湾の盛微先進科技が開発した〝LHDC〟も認証された。一般的な〝SBC〟コーデックの転送速度328キロbpsに対し900キロbpsと高速処理が可能。ブルートゥースはスマートスピーカ、テレビなど多くの機器に導入されている。〝ハイレゾワイヤレス〟の普及は、オーディオ市場活性化の追い風になると期待されている。

【東京インターナショナルオーディオショウ特集】目次

世界のハイエンドブランド一堂 高み体験の絶好の機会
●オーディオ活性化を支える〝ハイレゾ〟の現状 
アキュフェーズ プリメイン・アンプ「E-800」
パナソニック スーパーオーディオCDプレヤー「SL-G700」
ラックスマン 旗艦真空管コントロールアンプ「CL-1000」