2021.10.26 シャープ、「AQUOS XLED」立上げ大型ゾーンに一気に5機種、12月10日より順次発売

シャープは次世代ハイエンドテレビの機軸となる新ブランド「AQUOS XLED」を立ち上げた

 シャープは、液晶テレビAQUOS誕生20周年を迎え、mini LEDバックライト搭載の新たなハイエンドモデルの新ブランド「AQUOS XLED」を立上げ、85V型~55V型までの大型ゾーンに一気に5機種(8KのDX1ライン3機種/4KのDP1ライン2機種)を12月10日より順次発売する。

 同社では、01年に液晶テレビAQUOSを誕生させて以来、18年には”世界初”の8Kテレビを発売するなど、ディスプレイ技術や放送・通信インフラの進化に合わせ、時代ごとにテレビの画質進化をけん引してきた。21年には、有機ELテレビ「AQUOS OLED」も立上げている。

 今回、最新のディスプレイ技術・音響技術を取り入れ、「AQUOS XLED」を立ち上げたことについて、同社の喜多村和洋執行役員スマートディスプレイシステム事業本部長は「AQUOS XLED、AQUOS OLED、AQUOS 8K/4Kをテレビ事業の3つの柱に置き、時代の変化に応じた新しいテレビ文化を提案していきたい」と語る。

 「AQUOS XLED」の最大の特長は、光源であるバックライトに小型(従来の1/10サイズ)のLED(mini LED)を高密度に敷き詰め、表示する映像に応じて、エリアごとの明暗をきめ細かく制御することで、コントラストなどの表示性能を飛躍的に向上させた点にある。

 この「アクティブmini LED駆動」により、従来比72倍の数の大量のLED光源を使用し、これを微小なエリアに分割・緻密に制御して明暗を描くことで、従来比で最大3倍の輝きと、引き締まった深い黒を表現する。独自の制御回路「フレアブライトネス」の搭載、画像処理エンジン「Medalist」の進化で、より高性能なディスプレイの特性を引き出す。

 さらに量子ドットリッチカラー技術により、青色LEDの光をナノサイズの半導体「量子ドット」のシートに通して波長変換して必要な波長だけを効率よく取り出し、従来以上に波長の整った純度の高い3原色を効率よく取り出し、より色鮮やかな映像を再現する。

 音質面でも進化し、画面下部に加え、上部およびサイドにもスピーカーを配置した新開発の「ARSS+」(AROUND SPEAKER SYSTEM PLUS)音響システムが、没入感のある音場を実現する。

 デザイン性も進化し、DX1ラインでは、従来機比で約1/5の狭額縁化(約0.2センチメートル)を実現し、映像と背景の境界をミニマイズし、まるで空間に浮かんでいるかのような映像体験を楽しめる。

 市場想定価格は、8K85V型で税込176万円前後~4K55V型同36万3000円前後。

 現在、全世界のディスプレイ技術のトレンドは、有機ELが構成比を伸ばしているが、「今年からmini LED技術を搭載したテレビの普及が本格化し、来年には有機ELを上回り、25年に構成比が2桁に迫ると予測している」(喜多村執行役員)とし、今後の高精細テレビの主流となる技術で、市場をけん引していく構えだ。