2021.10.26 デジタル庁のガバメントクラウド整備米IT2社が存在感
記者会見に臨む牧島かれんデジタル相=26日、東京都千代田区
デジタル庁は26日、地方自治体や中央官庁が各種業務に生かせる共通基盤「ガバメントクラウド」の先行事業に参加するクラウドサービス事業者を決めたと発表した。米アマゾン・ドット・コムの傘下企業と米グーグルのクラウドサービスが採択された。海外勢が行政機関向けクラウド分野で存在感を発揮した格好だ。
対象のクラウドサービスは、政府が定めたセキュリティー評価制度「ISMAP(イスマップ)」の登録サービス。所定の調達仕様書で規定した要件を満たせば事業者は原則参加できる。応募者は3社で、機能や安全性など約350に上る要件をクリアした「アマゾン・ウェブ・サービス」と「グーグル・クラウド・プラットフォーム」が選定された。
採択結果について、牧島かれんデジタル相は同日の記者会見で、イスマップなどに触れた上で「基準をしっかりと満たしていただいたところが今回の採択につながった」と説明。国産クラウドサービスに関しては「基準を満たす国産がしっかりと育っていくことを一つの可能性として感じている」と述べた。
同庁は52の応募団体から、神戸市や盛岡市など8自治体も採択。採択自治体の主要業務を担う行政システムは、ガバメントクラウドのテスト環境で稼働させ、各種の要件を満たしているかを検証する。検証事業は11月以降に始め、来年度末まで実施する計画だ。
2025年度末までに、自治体間で異なるシステムを「標準準拠システム」に移行させる計画。牧島氏は「自治体が安心してガバメントクラウドを利用できるようにすることが重要だ」とも力を込めた。