2021.11.11 ノジマが東大発ベンチャーと協業人流データ分析を出店戦略に生かす

ノジマがスタートアップとの協業に力を入れ始めた

 ノジマがスタートアップ企業との協業に乗り出す。東京大学発ベンチャー、LocationMind(東京都千代田区)が持つ位置情報AI(人工知能)技術を活用した人流データ分析を、出店戦略や新規客獲得に生かす実証実験を行うことを決めた。

 ノジマは今回、神奈川県または東京都に拠点を置く企業の経営資源と、全国のスタートアップが持つアイデアを活用して共創などを目指した「横浜銀行アクセラレータープログラム」に参加。こうしたスタートアップとのコラボレーションを目指した企画への参加は「ノジマとして初めて」(広報担当)という。

 協業するLocationMindは、空間情報工学の分野で第一線の研究を行ってきた東大柴崎亮介研究室発の技術ベンチャー。GPSデータやIoTデバイスを活用した事業などを展開している。

 ノジマは、より効果的な出店戦略の策定や新規客の獲得に、LocationMindの位置情報を活用した人流データ分析を使いたい考えだ。協業の話を進める中で、ノジマが望む独自のデータ分析にもLocationMindが柔軟に対応。パッケージ化された人流データ分析ではなく、「ノジマ特化型」とすることで、高い効果を上げることに期待している。

 まずは、既存の単独店で人流データの分析などの実証実験を早期に行うことを目指す。実証店舗は単独店の多い神奈川県が有力。その後は、実証で得られた結果をもとに、新規出店などに生かしたい考えだ。

 家電量販店でスタートアップとの協業を模索する動きが広がりつつある。ビックカメラは7月、スタートアップ企業に出資する総額100億円規模のファンドを設立。その第1号案件として、カメラ機材の定額制(サブスクリプション)サービス「GooPass(グーパス)」を展開するカメラブ(東京都渋谷区)に10月に出資した。スタートアップの斬新なアイデアや技術を生かし、新たなサービスや新事業の立ち上げなどに生かそうとしている。ノジマも今後、スタートアップらの技術や知見を生かし、社内のデジタルトランスフォーメーション(DX、デジタル変革)を進めたい考えを示している。