2021.11.24 JVCケンウッド、ポータブル電源急伸長示すオーディオなど3本柱の好調続く
完全ワイヤレスイヤホン「HA-FW1000T」
魅力ある新製品で攻勢
JVCケンウッド・メディア事業部(ライフスタイルBU国内営業部)は、年末商戦を迎えて「完全ワイヤレスイヤホンをはじめ、オーディオ分野は魅力ある新商品が出そろった。ホームページで特長などを詳しく紹介し、来春にかけて販促活動に注力してプラス成長に挑む」と話すのは中平健太郎マーケティング部長。
同分野3本柱の一つであるJVCブランドのポータブル電源「BN-RB10-C」が、10月開催の「危機管理産業展2021」(東京都主催)において、非常用電源部門の最優秀賞に選定されるなど幸先よくスタートしている。
発売モデル数は少ないが、好評なのがWOODシリーズの完全ワイヤレスイヤホン「HA-FW1000T」、コンパクトコンポーネントシステム「EX-D6」、ワイヤレスシアターシステム「XP-EXT1」の3モデル。いずれも「2021年度グッドデザイン賞」(Gマーク)を受賞。「Victorブランドの新たな価値が認められた」と中平部長は胸を張る。
木の振動板を採用
11月発売の完全ワイヤレスイヤホンHA-FW1000T(市場推定価格3万9600円前後)は、ビクターブランドの象徴である犬のマークを刻印。「完全ワイヤレス初の木の振動板を採用した自信作」で、高音質化技術「K2テクノロジー」を完全ワイヤレスに初採用しハイレゾ相当まで拡張している。
音質監修は国内最高クラスの設備・技術を誇るビクタースタジオのエンジニアが担当した製品。音質に不満があれば返品可能というお試しキャンペーン(同社公式オンラインストア)を実施。「主対象となる高音質を求める20代以上の男性の評価が高いのは予想通り。取扱店にも聴いて納得した上で購入していただくようにお願いしている」と中平部長は自信をみせる。
完全ワイヤレスイヤホンはほかにJVCブランドの「XC91T」(市場推定価格2万2000円前後)/「51T」(同1万1000円前後)、「A5T」(同4300円前後)など魅力ある新商品がそろう。
高額モデルを提案
ヘッドホン/イヤホン市場について、中平部長は「5000円以下の価格帯で見ると、この3年ほど数量は横ばいで推移している。金額が伸びているのは単価がアップしているからで、当社は高額モデル提案でリーダー役を果たしている。引き続き金額シェアを着実に伸ばしていく」方針。
また「驚くほどの売れ行き。発売以来、2年半という短期間で大きな柱に育ってきた」(中平部長)というのはポータブル電源のBN-RB10-C(市場推定価格13万6000円前後)で、「防災防疫製品大賞」に輝くなど好調。戦略パートナーである米Jackery社との共同開発のシリーズ製品を増やし、売り上げを伸ばしている。
中平部長は「日本は地震や台風など災害が多い。万一の備えとしてポーダブル電源は欠かせない。また、庭で電気工具を使うDIY作業、アウトドアでのLEDライトや車中泊の電気毛布など、必要な時に必要な場所での役割は大きい。RB10-Cはシリーズ最大出力最高容量で、多くの製品の長時間使用に対応している」という。
オーディオ分野は、引き続き完全ワイヤレスイヤホン、ポータブル電源、セットステレオの3本柱を主力としてプラス成長を目指す方針だ。