2021.12.02 「新人が13年間、入ってこない会社って」宇宙飛行士への応募を「先輩」が呼びかけ

応募を呼びかける3氏。左から、油井さん、山崎さん、大西さん

 「10年以上も新人の来ない職場は、企業だったらどうでしょう? 新しい方たちを心待ちにしています」。そうユーモラスに呼び掛けたのは、宇宙飛行士の油井亀美也さん、山崎直子さん、大西卓哉さん。日本人宇宙飛行士の平均年齢は実は50代。リタイアが進むと宇宙開発の活動にも支障が懸念され、次世代の養成へ向け、候補者の募集が13年ぶりに始まる。募集開始を前にした1日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が、動画チャンネルで説明会を配信。3人は番組内やその後のインタビューなどで、「受験」当時や訓練の体験、宇宙への思い、後輩に求めたい資質などを語った。

 「宇宙飛行士に、転職だ。」をサブタイトルにした説明会。延べ約5000人がリアルタイムで視聴した(アーカイブ視聴もできる予定)。「高校の国語の成績が10段階で3で、表現力のなさに苦労した」「試験で『1人ミュージカル』を披露した」「応募するかどうかウジウジ迷っていたら、妻に背中を押された」「給料は減ったが、代えられない体験」といった逸話も交えつつ、若い世代や民間などで仕事をする人たちへ、応募を呼び掛けた。

 「もし面接官になったら、どういう点をみたいですか?」との問いには、ほぼ異口同音に、「この人と一緒に宇宙に行きたいかどうか、です」。実際には面接官を務めることはないそうだが、このあたりは、職場が「宇宙」なだけで、ふつうの企業の面接と同様のようだ。ほかにも取材に対し、企業の宇宙開発や、文系の社会人への期待なども含め、様々に語ってくれた。
(3日の電波新聞・電波新聞デジタルで詳報します)