2022.01.05 パナソニックが新たな環境コンセプト2030年までに全事業会社のCO₂排出量実質ゼロに

CESにビデオメッセージを寄せた楠見グループCEO

「Panasonic GREEN IMPACT」のロゴ「Panasonic GREEN IMPACT」のロゴ

 パナソニックは4日、米ラスベガスで開催されるエレクトロニクス総合展「CES2022」のプレスカンファレンスで、新たな環境コンセプト「Panasonic GREEN IMPACT」を発表した。

 2030年までに、全事業会社のCO₂排出量(年220万トン)を実質ゼロにする。50年に向けては、ユーザーが使用する商品からのCO₂排出量を減らし、B2B/Gの顧客への省エネソリューションやクリーンエネルギー技術の提供を推進する。

 同社の楠見雄規社長執行役員グループCEOが、ビデオメッセージで公表した。新コンセプトは同社の事業活動、提供する商品を通じてユーザーが排出する膨大なCO₂というインパクト(IMPACT)に対する責務と、それに対してCO₂削減に貢献していく、より大きく、ポジティブなインパクト(IMPACT)を与える思いを込めた。また、持続可能な未来に向けて、行動(ACT)していくという、コミットメントの意味を込めた。

 楠見グループCEOは「世界10億人以上の当社製品を使用する人の電力消費からのCO₂排出量と、グループのグローバル全体の事業に伴う総排出量は合わせて約1.1億トンで、世界の総電力消費からの排出量の約1%を占める」という。「エネルギー効率を上げる技術やソリューションの開発を通じて削減していきたい。まずは30年までに全事業会社のCO₂排出量実質ゼロにすることをお約束する」と強調した。

 既に同社では環境への取り組みを加速している。工場では徹底したエネルギーの削減を推進し、FEMSやLED照明などを活用している。また、4月には滋賀県草津市の自社工場で消費するエネルギーを100%再生可能エネルギーで賄う❝RE100化ソリューション❞の実証を開始する。

 純水素燃料電池や太陽光発電システム、蓄電池などを活用した脱炭素の取り組みを、今後世界のものづくりの現場にも展開する。大気中の熱を集めた熱交換で、化石燃料を用いた従来の燃焼系の暖房機器に比べCO₂排出量を抑えるヒートポンプ式温水暖房機も提案する。

 「50年に向けて取り組みを一層強化し、社会のクリーンエネルギーへの移行を加速させ、自社バリューチェーンからのCO₂削減を加速させる。責務のインパクトは大きいが、これを超えるグリーンなインパクトを目指す」(楠見グループCEO)と話している。