電子材料メーカー各社は、IT・エレクトロニクス技術の高度化や将来ニーズに対応した新製品開発・新技術開発に力を注いでいる。業界の技術変化の速度が速まり、技術要求が一層高度化する中で、各社は最先端の基盤技術を活用した高付加価値製品の開発に磨きを掛けている。

　分野別では、xEV化が進む自動車や第5世代移動通信規格・5Gスマートフォン、5G基地局、次世代二次電池、次世代ディスプレー、次世代半導体プロセス、次世代データセンター、再生可能エネルギー／蓄電池関連、医療／ヘルスケア関連などの分野へのR＆Dやグローバルマーケティングに力が注がれている。

　半導体関連では、次世代半導体露光技術のEUVリソグラフィーに対応するプロセス材料開発や、次世代パワー半導体用材料として、SiCエピタキシャルウエハーなどの開発が進展。5G関連では、5G用デバイス向けに要求される低誘電率や低誘電正接、耐熱性などを追求した新規材料開発に力が注がれる。エネルギー関連では、リチウムイオン電池／全固体電池向けの新素材や、次世代フレキシブル太陽電池用材料などの開発が進んでいる。

　機器・装置の省エネ化や脱炭素／カーボンニュートラル化に寄与する製品開発も重視されている。

　持続的な成長のための新規事業創出への取り組みも活発。中長期での新たな需要創出や販路拡大を視野に、産学連携活動やオープンイノベーション活動、M＆A（企業の買収・合併）／アライアンス戦略にも力が注がれている。