2022.01.21 【LED照明特集】22年の事業戦略東芝ライテック・平岡敏行取締役社長

平岡 社長

照明販売以外のサービス強化
UV事業本格化で拡大加速

 2021年度は、新型コロナウイルスの影響があったものの、事業としては前年並みで推移した。しかし、下期に入ると半導体不足の影響が深刻化し、市場からの要求を満たせていない状態だ。いつまで続くかは見通せないが、事業として伸ばせる余地があっただけに、厳しい状況だ。

 そうした中、カメラ付きLED照明「ビューレッド」を活用した「人流分析サービス」の提供を昨年11月から開始した。安全性の向上を含めた職場環境の改善につながるソリューションとして、提案先には必要性を感じてもらっている。今後もサービスの提供体制を整え、「照明を売る」以外の取り組みを強化していく。

 同時に、UV(紫外線)ビジネスを22年度から本格的に立ち上げる。22年度を「UV拡大元年」と位置付けて取り組んでいく。

 昨年には深紫外線LEDと光触媒を搭載した除菌脱臭機「ユービッシュ」を製品化した。春ごろには、より広いエリアに対応する大型品を発売し、ラインアップを増やしていく計画だ。有人環境でも照射できる、ウシオ電機の222ナノメートル紫外線技術を用いた「ユービー」も導入が広がりつつある。

 UV事業の加速に向けて、21年度に専門の推進部を作り、下期からは販売や技術などもまとめて、さらに体制を強化している。今年1月からは、鹿沼工場(栃木県鹿沼市)でユービッシュの生産も始めた。UV関連は伸びている市場であるため、成長の種を見つけて積み上げていく。今年度はそのための準備の一年だ。

 UVは専門組織を立ち上げ、リソースをしっかり投入できるようになった。国内の照明市場は、ストック(既設照明)からの交換だけでなく、LEDからLEDへのリニューアルも進んでいる。LED化ではビューレッドによる新サービスの提案も加速させ、同時にUV事業も柱に育てていく考えだ。

 部品調達といった不透明な要素はあるが、今年に対して悪い見通しを持っているわけではない。経済活動は徐々に活性化してきているのを感じている。照明に関しても上向いてくると期待している。