2022.02.03 インドネシアにベスト電器直営店ヤマダHD、東南アで事業拡大

インドネシア現地のベスト電器(写真は19年撮影)

ベスト電器海外事業の歴史ベスト電器海外事業の歴史

 ヤマダホールディングス(HD)は3日、ベスト電器ブランドでインドネシアに直営店を出店すると発表した。8月をめどに、首都ジャカルタ周辺に7店をインショップ型で出店。3年以内に約30店を出店し、年商100億円を目指す。シンガポール、マレーシアでは直営で20店を展開しており、年商は約250億円。インドネシアで直営店を立ち上げることで、東南アジア地域で事業の拡大を狙う。

 ベスト電器は、1985年にシンガポールに海外1号店を出店。インドネシアへは92年に進出した。直近ではインドネシアに25店舗をFC展開していたが、新型コロナによるロックダウンなどの影響で業績が悪化、全店が閉店していた。

 「ベスト電器の海外事業は38年の歴史がある。インドネシアでもベストの屋号は根付いており、FCの経営破綻で撤退するのは惜しい」(清村浩一執行役員経営企画室長兼サステナビリティ推進室長)という判断から、ベストシンガポール社を親会社とした現地子会社「ベスト エレクトリック インドネシア」を設立し、直営で運営することを決めた。現地では富裕層を中心とした顧客基盤を確立していたという。

 ショッピングモールやホームセンターなどにインショップ型で出店する。売り場面積は1320平方メートルから2640平方メートル程度の規模を想定する。現地の競合最大手の売り場は小さめの店舗が多いとしており、売り場規模でもすみ分けできると見る。

 8月までにジャカルタ周辺で7店を出店した後は、スラバヤやブカシなど、人口が多く、都市化が進む地域に出店する計画だ。現地には、小型家電店や、家具を併設する家電店はあるが、家電だけを売る大型家電専門店はなく、日系メーカーや韓国メーカー、現地メーカーの充実した家電の品ぞろえを武器に、存在感を示したい考えだ。

 インドネシアにおける日本の家電量販店の展開は、ノジマがコーツ・アジアを2019年に買収し、家具と家電を売る店舗を現地で運営している。