2022.03.24 【電子部品メーカー・商社 中国拠点特集】 変革を遂げる中国の日経電子部品工場欧達可電子(深圳)有限公司 オータックス
富田 社長
DIPスイッチを増産、自動化・省力化を強力推進
オータックスの中国現地法人「欧達可電子(深圳)有限公司」(深圳市)は同社グループ最大のグローバル製造法人。グループの複数の海外工場のHUBセンターに位置付けられ、従来の製造基地から技術・開発拠点への進化を図っている。
工場規模は、約6万2000平方メートルの敷地に延床面積約2万4000平方メートル。25年以上の歴史を持ち、全工程の製造、製品および金型と自動化設備の開発・製作を一貫して行える。中国国内販売の仕組みも構築している。
同工場は自動化・省力化を強力に進めている。DIPスイッチ組み立ては大半を自動機で行い、電源スイッチや端子台の自動機生産も大きく進展。これらにより、従業員数は最盛期の約2500人から現在は約1000人まで減少した。オータックスの富田周敬社長は、「生産性改善が進んでいる。自動化効果が確実に出てきている。現在、DIPスイッチの増産を進めており、新規機種導入も展開中。端子台やコネクターの需要も増加している」と話す。
同工場は組み立てのほか、プレスや成形などの部品加工、メッキ、金型設計、自動機開発、製品設計などあらゆる機能を整備。特に近年は技術センター機能を強化し、市場に近い技術センターとして展開している。
2021年後半にはDIPスイッチ製造工程の防じん対策フロアを拡張した。IATF16949を取得し、22年3月より新たに車載用部品の出荷も始めた。「今後も車載の強化とともに、FAロボットや5Gなどウィズコロナ関連の展開を強化する。現地需要が増加する中で現地サービスのさらなる向上を図る」(富田社長)。
同工場の21年度(12月期)売上高は、約40億円。23年度には50億円規模を目指す。
同社グループでは、リスク回避のためのBCP対応としてグローバル生産分散化を重視し、タイやマレーシア、韓国、一部国内での製造を強化する計画。その一環として近くタイ工場第2期の検討に入る。華東地区向けの電子部品製造販売拠点として無錫工場(無錫市)も展開する。